【試乗】次元の高さを見せつけられた! 新型アウディA3の「偉大なるベーシック」と「スポーツカーばり」のS3 (2/2ページ)

「これぞ欧州車!」と唸る完成度

続いて試乗したA3 Sedan 30TFSIは、当然ではあるがS3からするとかなり平和な世界観だ。

 搭載されるエンジンは1リッター直3ターボで、最高出力81kW(110馬力)/5500rpm、最大トルク200N・m(20.4kg-m)/2000-3000rpm。48Vのマイルドハイブリッドが加えられ、時速20キロ以下でエンジン停止が可能。時速40~160キロの間で最大40秒間の惰性走行ができる。

 その甲斐あってか燃費はWLTCモードで17.9km/L。ちなみにS3は11.6km/Lである。

 走り出せば低回転からトルクがしっかりと出ており実用域で不満はない。車両が持つそもそもの静粛性が高いということもあるが、3気筒のネガはなかなか見えてこない。プレミアムブランドらしさは失っていない。

 ただ、ワインディングの登り勾配で積極的にエンジンを回して行くと音や振動はやや多めに感じられる部分がある。こういうシーンで使うことも想定するのであれば、S3とまでは言わないが後に登場する4気筒の40TFSIを選択しておいたほうが良いだろう。このグレードは街乗りや高速メインで使う方々にマッチすると感じた。

 シャシーの乗り味はしなやかさがあり、上質な感覚が得られる仕上がり。スポーティに走ろうとするとこれまた物足りない部分も見えてくるが、一般道の乗り心地を考えればこれがベストだろう。これはまさに最上級のベーシックモデル。パーソナルカーとしての究極を行っているといっても過言じゃない。


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