トーヨータイヤと三菱自動車の電動化技術が無敵のコラボ! アニメが現実になったかのような「災害対策車両」の本気っぷり (1/2ページ)

ゲヒルン×三菱自動車×トーヨータイヤのコラボによる特務車両

 いわゆる「2.5次元コラボ」だが、単なるコスプレ車ではない。ゲヒルン×三菱自動車×トーヨータイヤの三者が、機能面でも本気モードで造り込んだ災害対策車両、それが特務機関NERV防災の2号機ことアウトランダーPHEVと、同3号機ことエクリプス クロスPHEVだ。

 両車とも、まったくもって『エヴァンゲリオン』から抜け出してきたような出で立ちで、実車を目の前にしていると、「ホントに作中に描かれていなかったっけ?!」的な既視感すらある。実際には登場していないのだから、3次元での「作り込まれたホンモノ」っぷりに脱帽してしまう。ちなみに初号機もアウトランダーPHEVで、電源供給と通信を担う車両だった。

 アニメのなかで特務機関NERVは、セカンドインパクトに見舞われた世界でサードインパクトを未然に防ぐために活動する、国連直属の非公開機関ということになっている。それが「なぜ、3次元でクルマになってるの?」という疑問に、ゲヒルンの代表取締役の石森大貴さんはこう答える。

「我々は情報セキュリティ会社で、地震や津波、噴火、台風や河川情報、土砂災害や特別警報といった防災ニュースを発信しています。元々は東日本大震災の時にツイッターで、節電を呼び掛けたことがきっかけだったんですね。その後、どうせやるなら社会インフラとしてちゃんとやるということで、『エヴァンゲリオン』シリーズの制作元のカラーさんと版権を管理するグランドワークスさんにお話しして、許諾をいただいたんです。今は『特務機関NERV防災』というアプリに発展していて、その業務を果たすためのクルマが、これらの災害対策車両なんです」

 いわば、『エヴァンゲリオン』シリーズの公式でこそないが、お墨つきは出ている”公認の活動と車両”である。しかも、NERV防災は気象庁や内閣府、国土交通省といった官公庁とも連携しており、関係各府省庁の認可に基づいた活動でもある。災害対策車両を導入するに至ったきっかけは、2018年に北海道で起きた、胆振東部地震だったそうだ。北海道の全域で停電になってしまい、情報発信をする側にも影響が出た。

「災害時は被災地の被災者にこそ、早く的確な情報が必要になる以上、発信する側は独自に電力を確保しなければいけません。その点、三菱自動車のアウトランダーPHEVであれば、現場に入れて給電も継続して可能になりますから。EVですと、環境にはよさそうでも災害時に現場に行って充電ができなければ、行きっぱなしになってしまいます。三菱自動車のPHEVは普段の走りは電気がメインですが、いつでもエンジンに切り替えられますし、現場ではそのまま発電機になってくれる。発電だけならポータブル発電機もありますが、携帯型の別タンクで燃料管理するのは大変です。PHEVなら平時からガソリンタンクに入れっぱなしでいいワケですから」

 災害支援の観点でいえば、電力会社からの電源を喪失しても現場でV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)給電の可能なPHEVは他にもあるが、三菱自動車のPHEVは現場に入る過程から、エネルギーを仔細にコントロールできる機能に優れるという。急速充電対応なので直前のステーションでバッテリー容量を最大化できるし、セーブモードにすれば今あるバッテリー容量をそのまま現場にもち込める。またエンジンチャージモードにすれば、その場でガソリンを燃やして電力が供給できる。災害支援の現場で車両から直接給電する場合、約1週間分の電力が供給できるという。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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