これが「運転」に命をかけるマツダの本気! ミズノと共同開発した「ドライビングシューズ」が圧巻の完成度だった (1/3ページ)

マツダがスポーツ用品メーカーと異色のコラボ!

 梅雨真っ只中の6月末日、神奈川県にあるマツダR&Dセンターにて業界関係者向けにある発表会が行われた。内容は「マツダがミズノと共同開発したドライビングシューズの試着会を行います」というもの。

 自動車メーカーがアパレルを展開することはとくに珍しいことではないし、実際にオリジナルのスニーカーや革靴を発売しているメーカーは存在する。ただ、今回に限ってはちょっと違う。そう、「ミズノ」の存在だ。説明は不要だろうが、ミズノとは「ランニングシューズ」や「野球用品」など、スポーツ用品を多数手掛けるあのミズノである。

 ドライビングシューズといえば、一般的なスニーカーとさほど変わらない外見をしており、特徴的なのは踵までゴムで覆われていることくらいだ。「マツダとミズノの共同開発!」と謳ってはいるが、現物を見るまでは私はそのようなイメージをしていた。しかし、会場に入るとまったく違うものが展示されていた。

 なんと形状がハイカットである。それも紐だけに留まらずマジックテープ式のベルトまで備わっているというホールド感が高そうな重厚な外見。カラーリングこそ大人しく見えるが、もはやレーシングシューズのような雰囲気さえ感じさせる代物。一見しただけでちょっとやそっとのドライビングシューズじゃないことはすぐに予想がついた。

 今回プレゼンを行ったのは、マツダのシャーシや足まわりの開発、そしてテストドライバーまでも勤める車両開発本部の梅津大輔さんとミズノで製品開発や商品のプロデュースなども行う南場友規さん。なんとこのドライビングシューズ、もともとはマツダ社内だけで開発を行なっていたものだという。「マツダならではの目線で、ライフスタイルを彩りたい!」という目標の元、人馬一体を体現できるドライビングギアの開発に注力したのがキッカケだ。

 開発を進めるなか、「人と用具の調和」を掲げるミズノと関わる機会が生まれた際に、シューズの話を持ち出したところ意気投合。クルマとスポーツ用品というマウンドの違いはあれど、製品開発に関する想いや思想などが一致したということで製品開発がスタートしたとのことだ。そして、今回ようやく完成から発表まで漕ぎ着けたという。開発期間はプロジェクトの決定からおおよそ3年だ。

 デザインやカラーはマツダが進め、ドライビングシューズとしての機能を担う部分は、スポーツで得た知見の多いミズノが手掛けたというのが、こちらの特徴。カラーは40代から50代を中心とする、物にこだわりのある男性ユーザーがターゲットとなっており、履いたときのシルエットの格好よさや、靴が主張しすぎない色を目指したことにより、今回のブラックとグレーのカラーリングになったという。また、足首付近にある赤いワンポイントは、マツダのメインカラーであるソウルレッドをイメージしている。

 機能面で言うと、ミズノがランニングシューズなどへ使用している「MIZUNO COB」というインソールを採用し、足からの情報伝達性向上と履き心地を両立。ドライビングシューズでありながら、街中を歩くのにも適した機能を持ち合わせている。踵には蛇腹構造のメッシュを採用し、ペダル操作時に足の動きをサポートするような仕組みだ。また、「背屈アッパーサポート」と呼ばれるシューズの上部に、足の筋力を補助する機能が施されているので、ドライビングシューズとしての能力はかなりの高次元にあることがわかる。

 ちなみにこのシューズ、日本製でほぼ手作りというプレミアム性も見逃せない。

 ここまで聞いただけで、かなり魅力的なシューズに聞こえてきたが、それは履いてみないとわからない。と、いうことで、この期待度MAXなシューズを履いて、さっそく試乗をしてきた。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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