2030年には4台に1台がEVになる! EVもPHEVもHVもひとつのアーキテクチャーから生み出すマツダの次世代テクノロジー発表 (1/2ページ)

マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャーを確立させる

 マツダが、2030年に向けた新たな技術・商品の開発方針を発表した。

 すでに、2030年時点での生産における電動化比率を100%にすること(そのうち純EV比率は25%を想定)を発表しているが、今回の発表は2050年カーボンニュートラルに向けたSKYACTIVテクノロジーの進捗と方向性を示すものといえる。

 その特徴を一言でいえば、多様な用途に対応できる基礎技術の確立をテーマとしていることだ。そうした方向性は、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づくものだが、それをマツダでは「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」と呼んでいる。

 ようはBEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド)、HEV(ハイブリッド)といった様々なパワートレインをひとつのアーキテクチャー(プラットフォーム)の上で実現しようというものだ。それぞれ専用アーキテクチャーを開発するという手もあるが、マツダのスケールでは、マルチソリューションに対応する基礎技術を磨いた方が得策というわけだ。

 では、実際にはどのような商品計画となっているのだろうか。

 マツダでは、「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」に基づく商品として、ハイブリッドモデル5車種(トヨタからのOEM車含む)、プラグインハイブリッドモデル5車種、そして電気自動車モデル3車種を、日本、欧州、米国、中国、アセアン市場などに2022年から2025年にかけてローンチすることを発表した。

 SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャーについては、エンジン横置きのスモール群とエンジン縦置きのラージ群という2グループを用意する。とくにラージ群においては直列6気筒エンジンを新開発するという。これまでのマツダのラインアップから見ると、より高級路線となるモデルが出てくることは間違いない。

 このようにエンジンにも開発リソースを割くわけだが、BEV専用アーキテクチャーの開発が進んでいることも発表している。

「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」と名付けられた技術は、マツダが得意とするモデルベース開発のノウハウを活かしたもので、トレッドやホイールベースをニーズに合わせて調整可能なプラットフォームを生み出すという意味だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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