アウディの車種名でA1からA8まであるのに「A2」だけがない! 欠番となっている理由とは (2/2ページ)

コンセプトカーとして復活するも市販はされず

 開発当初、アウディのエンジニアは、燃費に悪影響を及ぼすドラッグを減らすために、前面投影面積の小さい、極めて背の低いクルマを検討していた。ところが当時アウディの親会社であるVWグループの会長だったフェルディナント・ピエヒは、「そんなクルマは低燃費でも誰も買わない」と拒否。低燃費と優れた実用性を兼ね備えたクルマの開発を命じたのである。

 そうして生まれたのが、A8と同様に軽量なオールアルミニウムボディのアウディ・スペース・フレームや、アルミニウム製シャシーを採用し、流線型のルーフラインやマグネシウム合金製ホイールなどを採用したA2 TDI 3Lである。

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 2001年3月に登場したA2 TDI 3Lは、61馬力と140N・mを発揮する可変ジオメトリーターボを備え、アルミニウム製ブロックを採用した、インタークーラー付き1.2リッター直3SOHCディーゼルターボを搭載し、トランスミッションは5速シーケンシャルATを採用(VWの3リッターカーであるルポ3Lと共通)。車両重量はわずか855kgで、Cd値は0.252を実現し、100km走行あたり2.99リッター(33.4km/L)という驚異的な低燃費を達成したのである。

 この結果、A2はドイツをはじめヨーロッパ中で、デザイン賞やイノベーション賞、環境賞などを受賞し、学会や経済界、批評家からは高く評価された。しかしA2 TDI 3Lは、スペシャルな技術のオンパレードだったため車両価格が明らかに高く、2005年7月に生産終了となるまでに、わずか6555台しか販売されなかった。3Lカーの他にも、A2にはガソリン/ディーゼル・エンジン搭載モデルが用意されていたが、オールアルミニウムのアウディ・スペース・フレームを採用していたため、やはり競合モデルより価格が高く、デザインも最後まで市場に受け入れられず、総生産台数は約6年間で17万6377台に終わっている。

 ちなみにA2は、3リッターカーのみ5速シーケンシャルATで、その他のモデルは5速MTのみだったことや、高い車両価格、修理に手間とコストがかかるオールアルミニウム製ボディなどを理由に、ヨーロッパ市場以外では販売されなかった。

 その後、A2というモデルは登場していないのだが、一度だけ復活を予感させる出来事があった。2011年秋のフランクフルト・モーターショーで、「アウディA2コンセプト」というコンセプトカーがお披露目されたのである。

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 このコンセプトカーは、BMWが2010年11月に発表した「メガシティ・ヴィークル(MCV)」というプロジェクト(後にi3として量産化)に対抗するために開発したもので、2015〜16年にバッテリーEVおよびハイブリッドカーとして量産化する計画だった。しかしアウディは、2013年にそれまでの電動化モデル開発プロジェクトの中止を発表。2代目A2もお蔵入りとなってしまった。

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 とはいえ、アウディは「A2」というモデル名を商標登録しているので、永久欠番と確定しているわけではない。将来的に我々の想像を超えたイノベーティブなコンパクトカーとして、A2の名が復活するかもしれない。

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