走り命の「スペシャルモデル」を作り上げる! 日本メーカーの「特殊部隊」6選 (3/3ページ)

じつは別会社の”無限”と復活を期待したい”マツダスピード”

5)ホンダ モデューロ/無限

 ホンダには、”モデューロ”と”無限”のふたつがあるといっていいだろう。

 モデューロはホンダの純正アクセサリーメーカーであるホンダアクセスが展開するスポーツブランド。完全子会社なだけにホンダの新車開発のチームに加わって同時進行で行われることが多く、パーツ類もホンダの風洞やテストコースなどを経て開発されたものだけに、見た目は控えめながらキッチリと効果を得られるものがほとんどだ。

 もう一方の無限は、かつてはツーリングカーレースなどにホンダのワークスとして参戦していた無限の事業を2004年に譲り受けたM-TECが展開している独立系ブランド。独立系とはいえホンダとは密接な関係を保っていて、ホンダのレース用エンジンの開発から供給までを担うなどモータースポーツ活動を支えており、またホンダ車用のスポーツパーツの開発と製造販売を行っている。こちらは街乗りとスポーツ性のバランスを重視するモデューロよりも、モータースポーツの香りが強くより攻めたモノ作りを行っているのが特徴だ。

 モデューロも無限も1車種まるごとをプロデュースしたいわゆるコンプリートカーといえるものも作っているし、どちらのパーツもホンダのディーラーで購入できる点でも共通している。

6)マツダ マツダスピード

 残念なのは、マツダだろう。以前はマツダの有力ディーラーが1968年に解説したモータースポーツ相談室から発展し、1983年に正式にメーカー直系のモータースポーツ部門となった”マツダスピード”が存在した。

 1991年にル・マン24時間レースで日本車初の総合優勝を飾るなど華々しく活躍し、マツダ車のラインアップにもその名を冠した高性能グレードに用意され、またスポーツパーツをユーザーに供給して絶大なる支持を得ていたが、1999年にマツダに完全に吸収されてからは事実上の解体となり、現在ではメーカー開発の純正スポーツパーツにその名を残すくらいなもの。

 また2000年代にはマツダの特装車などを担う子会社であるマツダE&TがNB型ロードスターをベースにしてボディを架装したクーペ・モデルやターボチューンを加えたモデルを手掛けたが、現在は車両に関しては本来の特装車系のみに集中している。

 今回は国産自動車メーカーの”特殊部隊”を紹介した。次回は輸入車編をお届けするのでそちらもお楽しみに。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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