ドレスアップタイヤなのに圧巻の走行性能! ヨコハマ「AVIDエンビガー」に中谷明彦が驚かされる (1/3ページ)

見た目よし・性能よし・安心感ありの3拍子が揃っていた

 ヨコハマタイヤのミニバン/セダン/クーペ用リプレイスタイヤとして誕生し、マニア層を中心に人気を得ているという「AVIDエンビガー」。今回、新たにSUV用サイズがラインアップされたというので、マツダCX-5に装着して試乗してみた。

 ヨコハマタイヤブランドといえばスポーツ系の「アドバンスポーツ」や「ネオバ」、乗用車系の「ブルーアース」、「dB(デシベル)」、そしてSUV向けには「ジオランダー」などがよく知られているが、近年SUV市場の急速な拡大に伴い、より幅広いニーズに応えるために3年ほど前からこの「AVIDエンビガー」や「パラダ」といったブランドも設定されマーケットを賑わせているのだ。

 今回とくに「AVIDエンビガー」に注目したのは、同じヨコハマタイヤのラインアップの中にあって、非常にコストバリューが高いというところにある。

 近年は東南アジアや中国などの、いわゆる格安タイヤをカーショップやタイヤ専門店などでも多く見かけるが、やはりタイヤは命を乗せて走るものであるという特別なパーツであることからメイドインジャパンの安心安全を確実な性能で保証されたタイヤを選択できることが多くのユーザーが本来望んでいるところだろう。

 今回マツダCX-5、2.5リッターガソリンFFモデルに「AVIDエンビガー」の245/45の20インチサイズを装着したクルマに試乗してみた。比較として「パラダ スペックX」の同サイズタイヤも装着して試乗している。

 まず「AVIDエンビガー」のタイヤとしての特徴は、「S321」と呼ばれるトレッドパターンデザインにある。回転方向の定められたユニディレクショナルパターンデザインが採用されており、一見すると「デシベル」や「ブルーアース」にも共通するような品のいい顔立ちとなっている。

 細部を見るとブロックの横に刻まれた小さな突起状の彫刻であるグルーブinグルーブが特徴的だ。このグルーブの中の小さな切れ目が、タイヤにかかる荷重を分散し、偏摩耗を抑制する効果があるという。

 また、特徴的なサイプ形状と3Dサイプの採用でウェット性能を向上させている。一体型ショルダーブロック&センターリブは操縦性に寄与する部分として注目できるポイントとなっている。タイヤのロードノイズ、パターンノイズを6ピッチバリエーションで低減し、またブロック剛性チューニングを最適化し耐摩耗を防ぐという。

 トレッドコンパウンドには、シリカなどウエット性能を高める素材も配合されており、最新のタイヤ技術が盛り込まれていることがわかる。タイヤという物は内部構造を視認することはできないが、「AVIDエンビガー」の内部構造は「ブルーアース」にも通ずる基本的なケーシング技術が採用されており、「メイドインジャパン」の刻印で示されているように、安心安全の性能が保証されているといえるものだ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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