初代オーナー愕然! むしろ「違う車名」で登場してほしかったほど「キャラ変」した復活車7台 (2/3ページ)

名前には期待大だが、登場してみたらナンジャコリャ……

3)三菱エクリプスクロス

 キャラ変著しい……復活した車名と言えば、三菱エクリプスもそうだろう。初代エクリプスは、三菱自動車が1989年に北米市場をメインに開発し、デビューさせたスタイリッシュなスポーティクーペであった。

 日本でも北米仕様の左ハンドルモデルが逆輸入され販売されている。その2代目にはフルオープンモデルのスパイダーも用意され、2004年にスパイダーのみ日本でも買えるようになっていた。つまり、古い三菱ファンにとってのエクリプスは、三菱のスポーツカー、スポーティクーペなのである。

 そして初代エクリプスのデビューからおよそ30年後に登場したのが三菱のクロスオーバーSUVのエクリプスクロスである。今ではPHEVも加わり、三菱らしいAWDによる走りの素晴らしさ、AC100V/1500Wはコンセントによる実用性には定評あるところだが、スポーツクーペだった車名がクロスオーバーSUVとなった車名の”一部復活”については、かつてのエクリプスを知る人、オーナーにとっては複雑かも知れない。

4)トヨタRAV4

 ごく最近のキャラ変では、トヨタRAV4もそうだろう。初代から最近まで、都会派クロスオーバーSUVの代名詞的存在だったものが、5代目の現行型になって、いきなりワイルド感を強めた本格クロスカントリーモデルに変身したのである。

 ガソリン、HVモデルを揃えるとともに、最強のアドベンチャーグレードには、4WDシステムとして世界初、新型RAV4のために開発された「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」を搭載。オン/オフを問わない走りやすさ、曲がりやすさ、走破性を実現。カタログなどの写真が、都会ではなく、オーストラリアの荒野を舞台にしているあたりも、以前のRAV4との決別を物語っているようだ。

 実際、悪路の走破性に関しては歴代最強。5ナンバーサイズの乗用車的都会派クロスオーバーモデルだった初代に対して、今や堂々とした3ナンバーサイズが与えられた、本格クロスカントリーモデルと呼んでいい車格、キャラクターになっている。

5)ホンダ・インサイト

 ところで、トヨタ・プリウスが初代から今日に至るまで、どこから見てもプリウスのまま進化しているのに対して、2代目でガチな戦いを行ったホンダ・インサイトについては、もはやかつてのインサイトのイメージから遠く離れたものになっている。そもそもホンダ・インサイトの車名は、1999年にデビューしたファストバッククーペスタイルの2人乗りハイブリッドカーであった。リヤタイヤを半分隠したスタイリングは未来感に溢れ(今見ても)、おかげで当時として最上級の空気抵抗値、0.25を達成したと言われている。燃費性能も当時の10-15モードで世界最高の35km/Lを達成していたのである。

 その2代目は、いかにもプリウスの対抗車としてデビュー。ボディ形状は大きく変化したものの、5ナンバーサイズのファストバックのスタイルは継承され、ハイブリッド専用車ということもあって、インサイトの車名に異論を唱える人は少なかったはずだ。

 ところがだ、2018年デビューの3代目インサイトは、いきなりクーペライクなセダンに大変身。パワーユニットはインサイトとして初めての2モーター方式のSPORT HYBRID i-MMDに進化したものの、全長4675×全幅1820mmもの堂々としたセダンボディもあって、正直、インサイトと呼ばれるのに抵抗を感じた人も少なくないはずだ。クルマ、中身は素晴らしいのだが、とくに初代のオーナーからすれば完全に別物。別の車名で出てきてほしいと思わせて当然の1台でもある。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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