【試乗】新型シビックは「曲がり」がスゴイ! 中谷明彦がクローズドコースで試した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■本田技研栃木研究所内テストコースで中谷明彦氏が新型ホンダ・シビックに試乗

■6速MTはショートストロークで小気味良い変速が可能でよく曲がる

■CVTは軽快な加速で高速域での静粛性も高い

圧倒的に高められた旋回性能とロードホールディングに驚き

 ホンダが11代目となる新型シビックを登場させた。今回、そのプロトタイプ車で本田技研栃木研究所内テストコースを試走することができた。

 1972年に初代モデルが登場したシビックは、2代目「スーパーシビック」、3代目「ワンダーシビック」、4代目「グランドシビック」、5代目「スポーツシビック」、6代目「ミラクルシビック」など、とニックネームで呼ばれて親しまれてきた。

 7代目はファミリーカーとしての特徴を強め、8〜9代目は国内では生産されず、欧米でのグローバルマーケットに照準を合わせていた。そして先代の10代目で国内生産と販売も復活。これまで全世界でシビックブランドとして2700万台という大きな販売台数を誇ってきていたのだ。

 今回試乗したモデルは5ドアハッチバック(HB)の「EX」と「LX」の2グレード。

 搭載するエンジンはリンダーブロックやクランクシャフトまわりが強化された1.5リッター直噴ガソリンターボエンジンだ。そして、トランスミッションには6速マニュアルトランスミッション(MT)と無段変速(CVT)が用意され、前輪を駆動するFFモデルとして初代から続く伝統的な駆動形式を踏襲している。

 運転席まわりのコクピットは、液晶メーターと大型のタッチモニター式センターディスプレイが備わり、操作性、視認性の向上とともに先進的な見栄えとなっている。水平基調のダッシュボードデザインは新世代ホンダ車の新しいデザイン的特徴だ。

 ホイールベースが拡大し、後席の足もとスペースは広く取られ、セダンとして見ても実用性が高い。フロントエンジンフードには軽量なアルミニウム製を採用。また、リヤのハッチバックゲートには外板に軽量でデザインの自由度が高い樹脂製を採用するなど、前後でバランスを向上させている。

 まずハンドリング路へ移動し6速MT車を試す。このミッションは先代のものをキャリーオーバーしているが、ミッションマウント剛性を高めたりシフトストロークを小さくしたりなどして操作性を向上させているという。

 ハンドリング路を走り始めると、最初のコーナー区間から旋回性能が圧倒的に高まっているとこに驚かされる。サスペンションの動きがしなやかで4輪のロードホールディングが抜群にいい。

 ライントレース性の高まったステアリングにより、操舵時の正確性も増している。これほどのシャシー性能ならば、さらにハイパワーなエンジンを搭載しても面白いと思わせるレベルで、当日、2022年に登場するとアナウンスされた「タイプR」への期待も相当高まってくる。

 6速MTはショートストロークで小気味よく操作性が格段に向上している。ただ、左ハンドルを優先して設計されたためか、シフトレバーの位置がコンソール中央より左寄りで、右ハンドルのドライバーの位置からは少し遠く感じてしまう。とくに左コーナーで身体に右方向のGがかかると遠くなってしまう感じとなった。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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