「邪魔だ!」の煽りイメージもある! 対向車への合図に使う人も! クルマの「パッシング」ってそもそも何目的の機能? (2/2ページ)

引きっぱなしにすることでもっとも明るい状態になるクルマも

 追い越し合図の域を超えて、先行車に対して執拗にパッシングを繰り返すことは「妨害運転」と見なされ、あおり運転の一部と判断されてしまうこともあるだろう。なぜならハイビームで追走することは妨害運転の典型的な行為として認められているからだ。

 スーパーGTのようなモータースポーツではパッシングライトを多用しているシーンを見かけることもあるが、あれほどの勢いで公道においてパッシングライトを使うのは妨害運転といえるので公道で真似することはNGだ。

 またパッシングライトではなく、先行車に対して追い越し目的でクラクションを鳴らすのは即NGとなる行為だ。クラクションについては危険防止が目的でのみ使用が許される。

 後方を確認せずに車線変更を“しようとしている”車両に対してクラクションを鳴らすのは危険防止という意味で正しい使い方だが、追い越し車線を低速で走っているクルマや、危険な車線変更を終えたクルマに対して、注意喚起としてクラクションを鳴らすことは一般ドライバーには許されていないのだ。

 ところでパッシングライトというのは、冒頭でも記したようにレバーを引いている間だけハイビームを点灯させる機能のこと。つまりレバーを引きっぱなしにするとハイビームは点きっぱなしとすることができる。

 この状態、そもそもハイ/ローが切り替えタイプのヘッドライトではハイビームを点灯しているのと変わらないが、ハイ/ローが別光源のヘッドライトにおいてはハイ/ローを同時点灯した状態となり、もっとも明るく前方を照らすことができる。

 フォグランプをつけて、さらにパッシングを引きっぱなしにすることで、全点灯の状態にすることができる。街灯もなく、周囲に他のクルマもいないような暗い場所で前方の様子を確認する際などに有利なので覚えておきたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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