クルマとしちゃ魅力しかないけど「ぶっ壊れて当然」な中古輸入車……はやっぱりある! 覚悟をもって買いたいモデル3台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ひと昔前の中古輸入車はとにかく壊れたが、昨今の中古輸入車はそれほど壊れない

■昔ほどは壊れなくなった輸入車であるが弱点といわれる部分があるモデルには注意を要したい

■この記事では魅力的だが故障が多い印象を受ける中古輸入車を3台ピックアップ

いまどきの輸入車は中古であってもそれほど壊れない

 かつて、中古の輸入車は「魅力的だが、ひんぱんにぶっ壊れる」という場合も多かった。それゆえ今回、「ぶっ壊れることで有名な、しかし魅力的な中古輸入車を数台挙げる」というミッションを命じられたわけだが……私はいま、「魅力的だが、ひんぱんにぶっ壊れる輸入車」の車名を挙げるのに若干手こずっている。

 なぜならば昨今の中古輸入車は、基本的には(あくまで基本的には)そんなにしょっちゅうぶっ壊れるものでもないからだ。

 確かに筆者が1990年代半ば頃に乗っていた1987年式ルノー5 バカラというフランス車は、超絶素晴らしいハッチバックであったものの、超絶ぶっ壊れる個体でもあったため、その部分では閉口した。そしてもしもいまルノー5が中古車市場で普通に流通しているならば、私はためらいなくそれを「魅力的だが、ぶっ壊れる中古輸入車」のひとつとして挙げるだろう。

 しかしいま、ルノー5の中古車流通量はほぼ皆無である。おおむね同時期のフレンチハッチバックであるシトロエンAXやプジョー205あたりも、同様にほぼ皆無。ということは、「ないモノは壊れることもできない」という意味で、そのあたりのモデル群は「壊れない」といえるのだ。

 そしてもうひとつ、「生き残った者はけっこう強い」という理屈もある。

 たとえば1990年に発売されたシトロエンの当時のフラッグシップ「XM」は、筆者がルノー5に乗っていた1990年代半ばころは「地獄への水先案内人」的なイメージがあった。デザインに引かれて購入したが最後、次から次へと襲ってくる各部の故障により、オーナーは必ず地獄を見ることになる──といわれていた。

 だがあれから約30年。人々に地獄を見せた粗悪なXMは土に還ったか、もしくは鉄クズになった。そしていま、それでもしぶとく生き残った少数のシトロエンXMは、オーナーの適切な扱いと、蓄積された知見に基づく適切なメンテナンスによって「フツーに乗れるフランス車」へと進化している。

 まぁ「フツーに乗れる」といっても整備に気を使わなければならないクルマであることは間違いないが、ちゃんと手入れされた現代のシトロエンXMは「営業車」として使うことすら可能だ。

 実際、筆者が知るカメラマンはシトロエンXMを営業車(機材車)として使っている。クルマの故障のせいで仕事に穴を開けることは絶対に許されないフリーのカメラマンが、シトロエンXMを機材車として使っている事実から、その信頼性の高さを推察していただけたならば幸いだ。

 ということで、与えられたテーマに対しての結論は「魅力的だが、ひんぱんにぶっ壊れる中古輸入車なんて最近はない!」ということになる。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
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絵画制作
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町田 康

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