単独でのエンジン開発が難しいときにタッグが生まれる
イタリアではフェラーリのディーノV6を思い出す。こちらは当時のF2のレギュレーションで、量産ユニットの使用が義務付けられたことからフィアットと手を結び、同じエンジンをフェラーリとフィアットのスポーツカーに積んだ。
排気量は当初は2リッターだったが、その後2.4リッターに拡大され、WRCで連戦連勝を重ねたランチア・ストラトスにも搭載された。この一件だけが理由ではないと思うが、フェラーリのロードカー部門とランチアはこの時期フィアット・グループ入りしている。
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大トルクを発しつつタフで扱いやすいアメリカンV8を積んだスポーツカーやラグジュアリーカーも多かった。最近映画にもなったシェルビーアメリカンのコブラ、イタリアンスーパーカーのデ・トマソ・パンテーラなどが有名だ。
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プジョーとルノー、ボルボが共同開発したV6も忘れられない。小排気量車が中心だったフランス2メーカーと、単独ではエンジン開発が難しかった北欧メーカーがタッグを組んだもので、なぜかイタリアのランチア・テーマにも積まれたほか、デロリアンDMC-12の心臓にもなった。
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日本勢同士の実例もある。1970年代に排出ガス規制が始まった頃、2ストロークエンジン中心だったスズキがダイハツの4ストロークを一時的に積んで規制をクリアしたことがあったし、1980〜90年代にはマツダのオートザム・キャロルやAZ-1にスズキのエンジンが積まれた。
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さらに少量がイギリスで生産されたトミーカイラZZ、オートバックスが自社開発してスーパーGTに参戦したガライヤは、どちらも日産の2リッターエンジンを積んでいる。やはりスポーツカーをゼロからすべて作るのは大変なようだ。