スポーツモデルの標準や純正OP設定のシートが「レカロだらけ」な理由 (2/2ページ)

では、「レカロ一択」となっているその理由は何故なのか?

 で、本稿の主題である「世の中はなぜ『レカロのほぼ一択』と言える状況になっているのか?」である。

 それは冒頭付近でも申し上げたとおり、レカロ社が作る各種シートの品質および設計思想が優れており、その生産態勢も万全だからというのがまず第一にある。だが、それに加えて「レカロ以外のブランドを推すインセンティブが、自動車メーカーにも販売店にもあまりないから」という理由もあるのだ。

【関連記事】高級感は抜群だけど「布」のほうがいい場合も! 本革シートのもつデメリットとは

レカロ ロゴ画像はこちら

 たとえば、もしも自分がどこかの自動車メーカーの商品企画担当社員だったとして、「なんとか1600GT」とかいう車種の特別仕様車を企画すると仮定する。さらに、その特別仕様車には通常のシートではなく、いわゆる社外品のスポーツシートを装着するものと仮定する。

 その際、たとえばレカロではなく「スパルコ」を選んでもいいし、きめ細かな作りで定評ある日本のブランド「BRIDE(ブリッド)」を選択することも、理屈の上では可能だ。スパルコもブリッドも品質には何ら問題はなく、むしろ素晴らしいのだから。

 それでも、私という社員は「レカロ」を選ぶだろう。

 なぜならば、「そのほうが売れるから」だ。

 ブリッドを付けたからといって100の予想売上が50になってしまうことはないだろう。だが、ネームバリューの関係で「99」になる可能性はある。たかが1だが、ビジネスマンにとって「1の違い」は重要である。

 1の売上を減じさせるリスクを回避するために、あるいは1の売上を確実に死守するため、私という社員は特別仕様車に「BRIDE」ではなく「RECARO」を載っけるのだ。

レカロってすごいの?画像はこちら

 これは、筆者が自動車メーカーの社員ではなく「カー用品店のシート売り場担当社員」だったとしても同じである。

 確実な売上をより確実なものとするために、もちろんスパルコもブリッドも置くし、なんならその他の微妙なブランドのシートも売り場に置くが、やはり「RECARO」の品揃えと売り場面積こそを最重要視するはずだ。

レカロショールーム画像はこちら

 つまり、「世の中では一度圧倒的に勝つと、その後も何かと勝ちやすくなる」という話である。

 もちろん、レカロ社の製品には「圧倒的に勝つ」だけの理由と要素の積み重ねがあり、それを継続しているからこそ圧倒的に勝っているのだということは、もちろんわざわざ言うまでもない。

 ただ、業界を問わず「売れているから売れている」という現象がひんぱんに起こるのも、世の中の身も蓋もない事実ではあるのだ。

レカロってすごいの?画像はこちら

名前:
伊達軍曹
肩書き:
自動車ライター
現在の愛車:
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味:
絵画制作
好きな有名人:
町田 康

画像ギャラリー


新着情報