9月の新車販売が「異例」の低調っぷり! 努力をし尽くしても明るい材料が見えない「抜け出せぬ」暗闇 (2/2ページ)

10月以降も各メーカーの売り上げは悪化していくとみられる

 ラインアップ数の多さや、販売規模が大きいことで、いまの納期遅延問題がより深刻になっているのではないかと言われているトヨタ。確かに販売現場ではセールスマン個々の様子は、売ったはいいが納車できずに、販売実績としてカウントできないケースが多すぎて苦戦しているが、含軽ランキングでトップ10内に4台、登録車のみで5台がトヨタ車となっており、国内販売トップの意地を見せている。

 今回の部品問題による納期遅延がより深刻とされているのがダイハツ。メインの軽自動車販売では、9月単月では軽四輪総台数で1888台差をつけられ、ブランド別でスズキがトップとなっているが、目立って状況がより深刻という感じはない。ただ登録車では、トヨタへのOEM(相手先ブランド生産)とはなるが、納期遅延が深刻かと思えば、いきなり早まるといった混乱の度合がひどいとの話を聞いている。

 軽自動車では、2021事業年度締め上半期の販売台数も気になるところ。前年同期は2320台差をつけられ、トップはスズキとなったが、今期の軽四輪車総台数では2万3660台差をつけ、ダイハツがトップを奪還している。しかし、軽四輪乗用車では3437台差をつけられ、スズキがトップとなっており、軽四輪乗用車販売での苦戦傾向が目立っている。

 ちなみに、2021事業年度締め上半期でもっとも売れた新車は、10万5943台を販売した、登録車のヤリスシリーズとなっている。2位のホンダN-BOXに約1.5万台の差をつけトップとなっている。

 なお、ノア&ヴォクシーは9月23日に一時的に新規受注を停めている。年末には次期型が発表予定となっているので、事実上の現行型オーダーストップではないかとの話もある。

 10月に入ってからも、深刻な納期遅延が解消される気配すらない。9月は2021事業年度での上半期末決算セールの月でもあったので、厳しい状況下でも無理をして販売台数の積み増しをしたようにも見える。そのため10月以降年内は9月より深刻な状況になっていくのではないかと、販売現場は覚悟している様子であった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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