ランクル300にGR86まで! あらゆるトヨタ車に装着される「小魚」の正体とは? (2/2ページ)

コストに影響しないのが大きなメリット

 一見すると、スポイラーのようなもので、ダウンフォースを発生させるものに思えるが、流れる風を整流するのではなく、実際は乱気流を起こす。そうすると渦ができ、この回転する風が左右からボディを押さえつけるので、車体が安定するというのがその効果だ。だから、大型のランクルでも効果があるし、GR86のようなスポーツカーにも恩恵がある。

 これ、じつはそれほど珍しいものではなくて、空力の世界では「ボルテックスジェネレーター」や「乱流翼」と呼ばれるもの。飛行機の羽根や新幹線のパンタグラフの付け根などに付けられているし、クルマではランサーエボリューションの後半期には、オプションでルーフ後端に付けるタイプが売られていたりした。ちなみにルーフ後端に付けると縦渦ができるので、ダウンフォースを発生させることができる。

 ただ、トヨタの凄いところはホンの小さな出っ張りにしたことで、デザインへの影響もほぼなければ、コストにもほとんど影響しないのがポイントだ。一般的なボルテックジェネレーターはかなりトゲトゲしていて、いかにもな感じなのとは対象的だ。

 他メーカーやトヨタ車でも非装着車種で、付けてみたいという方は自作は結構簡単にできるし、設置場所も装着車を参考にすればいい。というか、実際はミラーの付け根か、Cピラーあたりがほとんどで、あまり迷わないはず。また、トヨタ純正オプションで用意されているので、これを流用してみるのもいいだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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