昭和車は「だから」カッコイイ! 「リトラ」と「クーペ」の2大武器が胸熱のクルマ4選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■リトラクタブルヘッドライトとクーペスタイルを持つクルマが昭和には多かった

■どれもスポーツカーの象徴的な装備として人気があった

■現在ではリトラクタブルヘッドライトは作れないので貴重な存在だ

スポーツカーといえばクーペでしょ!

 昭和のスポーツカーといえば、欠かせないアイテムが「リトラクタブルヘッドライト」。ヘッドライトが隠れているだけで、実際以上にノーズは低く見えたし、空気抵抗は小さくなっているように感じたし、なによりカッコイイと憧れの存在になった。とくに昭和50年代は、そうした空気がクルマ好きの共通認識と言える時代だった。

 そんな昭和に生まれた国産スポーツカーの中からリトラクタブルヘッドライトが似合っていた、伝説のスポーツクーペといえるモデルを独断と偏見でピックアップしてみた。デビュー年次に合わせて紹介しよう。

1)マツダRX-7

 1970年代に日本中を席捲したスーパーカーブームに、国産車として唯一参戦できたのが、昭和53年(1978年)に登場した、マツダ・サバンナRX-7だ。RX-7として初代となるこの型(SA22C)は、まさにスーパーカーの象徴的装備といえるリトラクタブルヘッドライトを備えたスタイリッシュなスポーツクーペだった。

 しかも、国産メーカーではマツダだけが量産に成功したといっても過言ではない2ローターエンジンを載せていたのだ。ただし、初期型のロータリーはNA仕様であってロータリーターボが登場したのは1983年のことだ。そして1985年には2代目RX-7(FC3S)へとフルモデルチェンジを果たした。3代目(FD3S)でもリトラクタブルヘッドライトを採用しつづけたRX-7は、まさにリトラクタブルヘッドライトの申し子ともいえる日本を代表するスポーツクーペであり、スポーツカーだ。

2)三菱スタリオン

 昭和57年(1982年)に三菱自動車が生み出した武骨なスポーツクーペ「スタリオン」もリトラクタブルヘッドライトを搭載したスポーツクーペとして記憶に残る一台。リトラクタブルヘッドライトを前提としたシャープなフロントマスクの奥には、4気筒エンジンが縦置きに搭載され、上級グレードはターボ仕様を積んでいた。つまりFRスポーツクーペだったのだ。

 まだまだ欧米のスポーツカーに比べると少なからず差があると感じていた時代に、真向から世界に立ち向かっていったのがスタリオンだ。たとえば、グループA規格のツーリングカーレースでは唯一の日本代表状態であったし、アメリカ映画『キャノンボール2』ではランボルギーニ・カウンタックやシボレー・コルベットといった名立たる世界のスーパーカーとバトルを繰り広げた。モデル晩期の1988年にはブリスターフェンダーを備え、2.6リッターターボエンジンを積んだ3ナンバー仕様も登場。昭和の少年は、その角ばったスタイリングに憧れたものだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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