「シティ+モトコンポ」の夢の6輪生活を復活希望! いまなら電動技術でバカ売れの可能性も (2/2ページ)

「バイクをクルマに積む」というのはシンプルだけどやっぱり大変

 とはいえ、あらためてモトコンポのスペックを見ると、この6輪生活は少々ユーザーを選ぶ部分があったのは否めない。モトコンポの重量は45kg。この重さをヒョイと持ち上げてシティのトランクに収めることができるのは若い男性限定だったかもしれないからだ。

 通常、バイクをラゲッジに積むにはラダーなどと呼ばれる専用のスロープが必要だ。

 ワンボックス車のリヤにラダーをセットして、バイクのエンジンをかけてクラッチを微妙に操作しながら上手に使ってバイクを載せられるようになるには、それなりの練習が必須。

 車椅子での乗車を考えた幅の広いスロープ付きのクルマであれば押したままバイクを載せらせそうな気もするが、実際にやってみると、車椅子よりもバイクの全長は倍近くあるため、車体を収めるだけのスペースがないことが多い。

 また、バイクを収めたとしても固定が面倒な上に、基本的にリヤシートは使えなくなる。レジャーユースを前提とした6輪生活的に目的地で気軽にバイクに乗るといった使い方は難しい部分があるのも正直なところだ。

 では、6輪生活は夢のまた夢なのかといえば、そんなことはない。2011年の東京モーターショーにてホンダが電動モトコンポというべき「モーターコンポ」というコンセプトモデルを出していたことを覚えているだろうか。

 いま、ホンダはじめ日本の二輪メーカーは、バッテリー交換式の電動バイクを規格化しようと動いている。バッテリーとバイク本体が切り離せるということは、別々に載せることで積み降ろしの負荷を軽減することができる。

 さらに、モトコンポではガソリンやバッテリー液が漏れださないような工夫も必要だったが、電動化されれば、そうした対応も不要で、積載方向の自由度も高くなる。さらに、電動バイクでは航続距離の短さは課題だが、6輪生活で近距離ユースに限ればそうしたネガも気にならなくなるわけで、電動化時代にシティ+モトコンポで提案した6輪生活というコンセプトは蘇るかもしれない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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