興奮必至の戦う「8輪車」! 自衛隊車両2台のド迫力に圧倒される (1/2ページ)

この記事をまとめると

■インテックス大阪で大阪オートメッセ2022が開催された

■自衛隊大阪地方協力本部が2台の車両を展示

■なかなか間近で見られない8輪車の中身を紹介

NBCは化学兵器などで汚染された地域の偵察車

 2月11日(金・祝)から13日(日)の期間にてインテックス大阪で開催された「第24回大阪オートメッセ2022」において、自衛隊大阪地方協力本部が2号館で、「NBC偵察車」と「96式装輪装甲人員輸送車」を展示。普段見る機会の少ない車両だけに、老若男女問わず注目を集めていた。

「NBC偵察車」はその名のとおり、Nuclear=放射能強度の測定、Biological=生物剤の検知・識別・試料採取、Chemical=有毒化学剤の検知・識別・試料採取、つまりNBC兵器=大量破壊兵器に汚染された地域において汚染状況を調査し、通信を介してリアルタイムで報告するのが主な任務。化学防護車と生物偵察車の役割を兼務できる車両として、2010年度に制式採用されいる。製作は小松製作所。

 車体底部には放射能、12.7mm重機関銃の銃座の後ろには生物剤(展示車両は非装着)、ルーフ左前には有毒化学剤を検知するセンサーがあり、さらに車両後端にはサンプルを採取するためのプローブが装着されている。

 全長×全幅×全高=約8×約2.5×約3.2mと巨体で、8輪にコンバットタイヤ(展示車両は365/80R20のブリヂストンL302コンバット)を装着しながら、最高速度95km/hを確保している。ホイールの裏側を覗いてみると、前2軸が操舵軸となっており、サスペンション形式はダブルウイッシュボーン。後2軸は4人分の乗員スペースを確保するため横方向にコンパクトなトレーリングアームが採用されており、その垂直方向に伸びた側の頂点から斜め前方下側へ下ろす形でダンパーが装着されていた。

 実際の運転や乗り心地について、展示車両が配備されている陸上自衛隊第三特殊武器防護隊隊員の方に聞いてみると、「しっかりサスペンションがあるので乗り心地はさほど悪くありません。運転方法は普通のクルマと同じでATが付いており、加速も遅くなく、運転感覚も大差ないです」とのこと。なお運転する際は、前面の防弾板を上に跳ね上げ、フロントガラスを露出させて走行する構造になっている。

 前身の化学防護車は1995年の地下鉄サリン事件や2011年の福島第一原子力発電所事故への対応に用いられており、NBC偵察車も有事の際は真っ先に最前線で調査任務に当たることになるだろう。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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ホンダS2000(2003年式)
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