年度末決算セールの不振に苦しむ新車ディーラー! 「売るクルマがない」事情とは (2/2ページ)

年度締めでの軽ナンバー1はダイハツとなる可能性が高い

 そのため、各モデルの納期遅延のレベルによって、順次今後多くのモデルがオーダーストップになっていくということらしい。そもそも納期遅延傾向が継続していたので、新規で受注しても事業年度末決算セールの実績に間に合う(登録完了が条件)ケースは少なかったが、それが確定してしまったような話になるので、販売現場は困惑しているように見えた。

 発売したばかりのノア&ヴォクシーは、すでに法規対応済みとなっているようだが、すでにオプション次第で納期は2023年が見えてきたという話もあり、到底事業年度末決算セールへの実績反映は期待できない。

「『年度末商戦の追い込みだから』とか、『いまのタイミングで新車が欲しい』といったお客様への対応はほぼできません。そのため、点検などで店にお見えになったお客様へ新車の乗り換えを進めて受注につなげている(急いで新車が欲しいというわけではない)のがメインとなっております。受注しても納車できないので、“受注残車両”が積みあがるだけです」とは前出セールスマン。

 トヨタだけでなく、今後事業年度末決算セールの実績、つまり2022年3月末までに初度登録が完了するようなモデルは限定的なので、コロナ前のような無理の利かないラストスパート(3月)になりそうである。

 軽自動車はいつもなら、3月に在庫車をバンバン売りまくりながら、自社届け出なども積極的に行い、販売台数の積み上げを進めていくのだが、そこまで生産回復していない。部品供給の都合から“作りやすいクルマ”と思われるモデルは届け出済み未使用中古車として店頭にも並んでいるが、全体では苦しい状況が続いているようである。ダイハツよりスズキのほうが生産に苦労しているようなので、事業年度締めでのブランド別軽自動車販売ナンバー1はダイハツになる可能性が高まっている。“N-BOX一本足打法”ともいえるのがホンダの国内販売の現状。それもあるのか、軽四輪乗用車ではホンダが唯一前年比100%越えとなっているのが目立っている。

 各メーカーとも苦しい状況が続くなか、3月末に向かいどのような新車販売を行っていくか、これは外野の身としてはじつに興味深く見守っていきたい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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