もう「伸びしろ」しかない!? 問題ばっかり指摘される「電気自動車」に待つ「明るい話題」5つ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いまクルマの電動化への動きが加速している

■電気自動車はまださまざまな点において完璧とはいえない

■改善されるとより良いと思うポイントを5つ挙げて解説する

近い将来、実現する可能性大!

 東京都が「2030年までにガソリン車の販売をゼロにする」ことを目標に掲げるなど、ここにきて急速に電動化への動きが加速している日本。世界的にも、英国では2030年にガソリン車の販売を禁止、アメリカでもカリフォルニア州が2035年までに販売禁止の方針を打ち出すなど、大きな波になりつつあります。

 とはいえ、充電時間が長いことや、ガソリン車に比べて航続距離が短いなど、まだまだユーザーにとって完璧な乗り物とはいえないのが電気自動車。走行中にCO2を出さないのはいいけど、もうちょっと私たちにメリットがあったらいいのに! と思うのも現実ですよね。でも技術は日々、猛スピードで進んでいます。今回は、将来的に「こんなのがあったらいいな」「こんなことができたらいいな」という電気自動車のメリットの中でも、近い将来実現する可能性の高いものをご紹介したいと思います。

 まず1つ目は、皆さんがもっともネックだと考えていることの1つ、充電時間の長さです。現時点では、日本に設置されている急速充電器は20〜30kwの低い出力のものが大多数を占めていて、40〜50kwのものは約20%程度しか備わっていないのですが、今後は90kw以上の高出力の急速充電器がどんどん普及し始めると言われています。事実、BMWの多くの店舗には90kw程度の急速充電器が2022年中に設置される予定とのこと。将来的には150kwの急速充電器が普及してくるでしょう。

 そうなると、充電時間は大幅に短縮されます。どのくらい短縮されるのかというと、たとえばBMW iX50で50kwで100km走行分の充電をするには、25分くらいかかります。でも90kwの急速充電器になると、わずか12分程度に短縮され、150kwの急速充電器なら、さらに短い8分程度で完了します。どうでしょう、これなら、充電器に繋いでちょっとトイレにでも行っている間に、自宅に帰れるくらいの充電は終わることが多くなり、もっと気軽に遠出ができるようになるのではないでしょうか。

 2つ目は、充電時間が短くなっても、充電できる場所が少ないんじゃ意味がない、という人に朗報です。現在、高速道路のSAなどでも急速充電器の拡充工事が進められているのですが、同時に充電器の性能も大幅にアップしています。これまでは充電器1台に対して1口しか充電コードがさせないタイプが主流でしたが、今後は1台で2口、6口といった多口化充電器への置き換えが進む予定です。そうすると、充電器が1台しかなくても6台同時に充電することができ、昨今問題となっている充電待ちも解消するのではないかと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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