庶民は結局お金の面が一番重要! EVに乗ると「得」はあるのか考えてみた (2/2ページ)

駐車料金の無料化もスタート!

 そして、維持費ではほかにもメリットが。EVが出始めた当初は高速道路などの急速充電は無料だったので、その頃と比べるとだいぶメリットは小さくなってしまいましたが、それでもガソリン価格が高騰している今、よく走る人ほどランニングコストはお得になります。たとえば日産アリア(B6)を購入すると、自宅に充電器を設置した場合、昼間に充電すると電気代は500km走行するのに約1800円、夜間に充電すると約1200円ほど(東京電力エナジーパートナーのスマートライフS/Lで計算。いずれも電力料金のみの金額)。ボディサイズで同程度となるトヨタRAV4のハイブリッドモデルで計算すると、燃費が20.6km/L(WLTCモード)なので500km走行するのに約4100円かかります(レギュラーガソリン価格168円/Lで計算)。自宅に太陽光発電を取り入れていれば、その電気を使うことでCO2排出をさらに減らせることにもなり、もっと地球にやさしい乗り物になりそうですね。

 また、外出先で急速充電器を使用する際には、日産自動車が用意している「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)」に入会すると、その都度支払いをする手間がなく便利。4つのプランがあり、普通充電はどれでも回数無制限で無料。急速充電が10回無料で月額4400円、20回無料で6600円、40回無料で1万1000円となっています。では1回の急速充電でどれくらい走れるのかというと、アリアB6は80%充電までに約65分かかるため、ここでは1回の急速充電で約半分の40%まで充電できると仮定して計算します。満充電での航続距離が最大470km(WLTCモード)なので、その40%では約188km。これが10回なら、単純計算ですが1880km走行できることになり、500km分なら3回の急速充電で足りるということに。たくさん走る人ほど、どんどんランニングコストが抑えられるというのもあながち眉唾ではないですね。

 さらに、東京電力エナジーパートナーでは、自宅でマイカーに充電するとポイントが貯まる「eチャージポイント」というサービスがあります。月々の電気使用量が300kWh以上だと毎月最大300ポイント、年間で最大3600ポイントが貯まり、提携先で1ポイント1円相当として利用可能です。ポイ活好きな人には嬉しいですよね。

 さて、EVに乗るメリットは万が一の際にクルマが家庭の電源として使えることも大きいと思います。これが「V2H(ビークルトゥホーム)」というシステムで、災害で停電になった際などにEVから電気を取り出す給電用機器を用いて、自宅に直接つなぐことができるのです。一般家庭の消費電力が1日約10kWhと言われており、40kWhのバッテリーを搭載した日産リーフなら、約4日分もの電力が家庭で使えるというわけです。これは心強いですよね。家庭用の発電機も性能が上がってきていますが、ここまでの大容量の電力を使えるようにするには、かなりのガソリンを常備しておかなければならず、安全性の面でも不安が残りそうです。

 ではそのほかのメリットとしては、令和3年4月より、国立公園や国民公園の有料駐車場で、EVとFCVの駐車料金無料化がスタートしています。日光国立公園や瀬戸内海国立公園など10の公園では終日無料、新宿御苑や京都御苑では時間に制限がありますが、お得になっています。環境省のWebサイトに詳細がありますので、チェックしてみてくださいね。

 また、マイカーでの走行が制限される富士山周辺の道などでも、EVはその規制から除外されるところもありますので、ガソリン車では走れない道もEVならドライブできる! これもちょっと優越感に浸れるメリットですね。

 ということで、EVに乗ることで得られるさまざまなメリットをご紹介しました。自分のライフスタイルに合っていれば、EVは音も静かで乗り心地もよく、先進の安全運転支援技術との相性もいいので、快適なカーライフが送れるのではないでしょうか。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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