モデル末期なのに販売ランキング1位の謎! ルーミー爆売れの理由とそれでも販売現場が喜べない裏事情 (2/2ページ)

ルーミーばかりが売れても販売店はうれしくない

 それなら、ルーミーばかり売っていればセールススタッフも幸せになるのではないかと考えてしまうが、そうは問屋が卸さない、というのが現状。新車のセールススタッフというと、単に販売台数を積み上げれば優秀というわけではないのだ。

 とにかく新車を売りまくったバブル経済期でも、営業所の事務所には方眼紙で各スタッフの受注台数グラフが貼られるなど、台数至上主義のようにも見えたが、粗利でもしっかりセールススタッフは管理されていた。そして、いまでは単に目標台数をクリアするだけでなく、粗利(いかに値引きしないで販売したか)、そして販売したクルマの構成も評価対象となっている。販売台数よりも、いまは値引きをせずにどれだけ儲けることができたかがより重視されている(値引きは売る側では損金と呼んでいる)。

 たとえば、ルーミー5台を売ったセールススタッフより、ルーミー2台、アルファード1台、ヴォクシー1台、カローラツーリング1台を売ったセールススタッフのほうが、より利益をあげたとして評価は高い(もちろん値引きは控えめなほど評価は高い/たとえばルーミー5台など、収益性のあまりよくない新車ばかり売るとセールスマージン自体が払われないディーラーもあると聞いている)。

 アルファードあたりの価格帯の新車は「高収益車種」とも呼ばれ、ルーミーに比べ台当たり利益が格段に多い。アルファードは60万円引きも珍しくないとされているが、それだけ値引きしても10万円は軽く利益が出ると聞いたことがあるが、ルーミーあたりのクラスは、車両価格の割には値引き額も大きいので利益はカスカスに近いともいわれている。なお、ダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)軽自動車については、販売してもセールスマージンをつけないとするディーラーも多いそうだ。

 売りやすい新車ばかりを売ることや、薄利多売を許さないディーラー(メーカー?)のセールススタッフに対する強い姿勢が、トヨタのバランスの取れた新車販売を実現しているのだが、それでもルーミーやヤリスなど多数のトヨタ車がランキングトップ10内に常に入ってくるあたりは、トヨタの販売力の強さを物語っているともいえる。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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