日本や欧米のファッション性重視とは事情が違った! ASEAN諸国でも「SUV人気」が高まっているワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本だけでなくグローバルでクロスオーバーSUVが人気になっている

■セダンの人気が圧倒的に高い中国でも内陸部ではSUVが人気となっている

■ファッションとして人気の先進国に対し、新興国では実用的な理由で人気が高まっている

全世界でSUVが人気となっている理由

 世界的にクロスオーバーSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)が新車販売の中心となっているのは、いまさら言うまでもない話。

 腰高スタイルでシートポジションも高めとなり、見晴らしの良い運転ポジションが好まれているという点は世界共通のようである。そもそも、「クロカン」と呼ぶにふさわしい、ピックアップトラックベースでラダーフレームを持つフルサイズSUVでさえ、販売される多くは2WDとなるアメリカでは、当然ながら乗用プラットフォームベースのクロスオーバーSUVでも2WDが売れ筋となっている。

 世界的にもSUVスタイルでありながら、売れ筋は一般的には2WDとなっており、以前は「SUV=4WD(4WDの必要性はそれほどないが、ないよりはあったほうがいいという国民性が影響?)」というのが定番であった日本でも、いまでは人気SUVのなかには2WDモデルが売れ筋となっているケースも少なくない。

 ハードオフローダーイメージの強い新型トヨタ・ランドクルーザーの売れ筋であるZXあたりを運転していても、静粛性も高く、路面からの振動を見事にいなすその乗り味は高級サルーンのようなイメージが強い。このような傾向は、筆者個人としては現行ジープ・グランドチェロキーも、これまでのイメージを大きく覆すかのように、新型ランドクルーザーに近いキャラクターとなっているように感じた。つまり、セダンなどの一般的な乗用車からSUVへ、ニーズはそのままに売れ筋がシフトしたようにも見え、その使い方はそれほど変わっていないのである。

 地域を限ってみると、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域では、雨季になると道路環境が比較的良いとされる首都などの大都市でも道路冠水が珍しくなく、その点で最低地上高が高く、車両冠水リスクが低いとのことでSUVが好まれていると聞いたことがある。事実、先日タイの首都バンコクを訪れると、トヨタ・カローラクロスが大人気となっていたのだが、その理由のひとつがカローラ・アルティス(セダン)に比べ、車両冠水リスクが低いというものがあった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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