セダンの「格」は長さも重要! 国産セダンで「最長」を調べたらトヨタでも日産でもないまさかの伏兵だった

この記事をまとめると

■中国ではクルマは長ければ長いほど高級だとされている

■そこで中国でも高級車と認められそうな全長が長い国産車を紹介

■5490mmという堂々の全長を誇るモデルは日本で10番目の自動車メーカーが販売

日本でもっとも全長が長い国産セダンは?

 日本では人気が下火となっているセダンが圧倒的な人気を誇っているなど、同じアジア圏ではあるものの日本はまったく異なる自動車文化となっている中国。

 どうやら彼の地ではセダン=高級という考え方が根強く残っているようで、どんなに室内空間の広さで優れる高級ミニバンや高級SUVが存在していたとしても、裕福なユーザー=セダンというイメージが強いらしいのである。

 そんなセダン信仰の強い中国では長いクルマほど高級という考えもあるようで、セレブになると自ら運転はせずに後部座席に座るため、後席足もとの広い全長の長いモデルが人気というのだ。そのため、各社とも中国向けのモデルにはホイールベースを延長した「ロング」モデルを設定しているのだとか。

 ではそんな中国セレブでも納得してくれるかもしれない、日本で販売された最長の全長を持つ国産セダンはなんだったのだろうか?

 国産セダンでもっとも長い全長を持っていた車種はセンチュリーでもプレジデントでもなく、なんと光岡のガリュー リムジン S50で、その全長は5490mm。

 日本で10番目の自動車メーカーとして認められた光岡だけに、このモデルもれっきとしたカタログモデル(当時)であり、ベースとなったのは初代日産フーガがベースとなった(ややこしい)ガリューIII。これをおよそ500mmストレッチさせたのが、このガリュー リムジン S50である。

 そもそもガリューIIIが前後の意匠の変更などによってベースのフーガよりも170mm全長が伸びているのだが、それをさらにストレッチしたことで堂々のナンバーワンとなったというワケなのだ。

 ちなみに多くのストレッチリムジンは、ボディを切断・溶接することで作成するため、どうしてもルーフパネルにゆがみが発生しやすく、レザートップなどでごまかすのが一般的だったが、このモデルではなんと専用ルーフパネルをプレス成型することで、違和感のない美しいルーフラインを実現していたのだ。

 また、延長部分に備わるサイドウインドウは保安基準の関係で合わせガラスを使用する必要があったため、レクサス用のものを流用しており、ウインドウには「LEXUS」の刻印が入っていた。

 パワートレインはベース車と同じくV6の2.5リッターと3.5リッターが用意され、前者は801万6750円~、後者は855万7500円~というプライスタグが付けられていた。

 なお、光岡では同時に外装の意匠に手を加えず(つまりフーガのまま)ボディストレッチのみを施した「光岡 リムジン S50」も同時発売し、こちらはおよそ70万円ほど安価な設定となっていた。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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