「車検って本当に必要?」の声多数! 意味はあるのか考えてみた (2/2ページ)

車検をなくすのは現実的ではない

 最新のクルマでもメンテナンスポイントはいくつかあって、完全メンテフリー化は無理なのだが、今でも残っているということはそれだけ重要な箇所だということ。たとえば油脂類で、劣化は絶対に避けられないし、定期交換も必須だ。タイヤもしかりだろう。以前、修理工場に貼ってあったのが某メーカーからのお願いには「とにかくオイル交換をしない人が多いので、汚れているのを発見したら半ば強制でもいいので交換するようにしてほしい」という内容が書かれていた。しかも「メーカーを問わず」と他メーカーにも触れるほど深刻な感じだった。

 とにかく、お金がないという言葉をよく聞く昨今。なにも義務がなくなってしまったとして、全員が自発的に点検整備を受けるとは到底思えない。ほったらかしが多発だろう。壊れて自分だけが困るのはまだいいが、他人や他車にも危害が及ぶ可能性がある。

 このような事例を見ていくと、車検をなくすのは無理と思えてくる。ただ油脂類の交換については車検での実際のチェック項目ではないのもまた事実。定期点検に含まれるもので、正確には車検はなくてもいいので、定期点検を義務化したほうがいいかもしれない。もちろん税金などはなしで、点検費用だけだ。

 ただ、ディーラーや修理工場レベルで全国統一の基準を設けて点検を義務化するのは実際には無理だろうし、やっても昨今話題になるように書類だけイジってOKにする例が増えるのは確実だ。そう考えると、税金、自賠責も含めて、車検内容を見直して費用を軽減するほうがいいだろう。もちろん受検条件として定期点検と整備は義務とするべきだ。結局、昔ながらの「クルマは贅沢品なので税金が高くてもOK」という意識を変えることが大切と言っていい。

 最後に海外では車検がないほうが多いという意見についてだが、実際にはある国のほうが多く、アメリカでは州によるものの存在はするし、整備しているようには思えないイタリアにも車検は昔からある。ただ、どの国も費用は安いし、整備工場での点検だったり、車検場で行うにしても直接走りにつながる部分のみというシンプルなものだったりする。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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