ダイハツ・キャストは魅力だらけだった! クルマ好きこそ選びたいその理由とは (2/2ページ)

ライバルと比較しても質感は一歩リードしていた

パワーユニットはNA&ターボを用意

 キャストのパワーユニットはKF型直3エンジンが搭載されています。

 NAは最高出力52馬力、ターボは同64馬力を誇るエンジンで、トランスミッションはCVTが組み合わされました。

 スタイルとアクティバには、アクセルのスロットル開度やCVTの制御をパワーモードに切り替える“Dアシスト”のスイッチが設けられ、スポーツにはパワーモードのスイッチはないもののパドルシフトが備わっていました。

 先ほど述べたようにどのグレードもFFと4WDを選択できましたが、アクティバの4WD車には悪路や雪道で効果を発揮するグリップサポート制御と車速を自動的に維持しタイヤのロックを防ぐDAC制御を採用していたことが特徴です。

 また、キャストにはダイハツの安全支援システム「スマートアシストII」を装備していました。

 スマートアシストは2017年の一部改良でスマートアシアウトIIIへバージョンアップ。また、2021年にはオートライトが運転中には常時作動する改良が行われました。

キャストのユーティリティや居住性

 車高が高い「アクティバ」はもちろん、スタイルやスポーツいずれも見晴らしが良い着座位置を備えているキャスト。左右ともにゆとりあるサイドサポートがあるシートや運転席と助手席の間にはセンターアームレストが備わっているなど、使い勝手を向上させつつ運転もしやすい工夫がなされています。

 後席の足元や頭上もゆとりある空間を確保。後席の前後スライド量は240mmで、後席シートは左右独立式に4段階リクライニング機構が備わっています。

 ラゲッジルームは後席を倒した際にフルフラットにはなりませんが、シートの格納は簡単。ただ、ラゲッジルーム側から後席のスライドができないのはやや不便といえるでしょう。

最大のライバル「ハスラー」と「アクティバ」の違い

 いまはラインナップから外れた「アクティバ」ですが、デビュー時の大きなライバルは初代ハスラーでした。現在でも中古市場ではライバル関係にある2台の違いを見ていきましょう。

 まず見た目から。

 直線基調のハスラーに比べキャストは丸みがあるフォルムを採用しています。上質なクロスオーバーをコンセプトとして水平基調の凛とした佇まいを実現しました。反面、SUVらしさは、最低地上高を上げプロテクターなどで加飾したとはいえハスラーのほうがそれっぽさを感じます。アクティバは女性からの支持が高かったそうですが、ハスラーは男女問わずに好まれるデザインともいえます。

 見た目の違いはクルマが備える佇まいにも現れており、快適性や上質さを誇るキャストに対して、SUVらしい道具感を備えていたのが初代ハスラーでした。

 長時間座っても苦にならない後席を備えたことや高級感があるインテリアを実現したキャストに対して、防滴処理が施されたラゲッジルームやリヤシートを倒すと荷室がフルフラットになるなどクルマを道具と捉えたときの利便性が優れていたのがハスラー。同じ軽クロスオーバーとはいえ、コンセプトは異なっていたのです。

 ただ、「アクティバ」にSUVとしての資質がなかったわけではありません。悪路走破性はグリップサポートやDACを備えたアクティバが一歩勝ります。しかし、ユーザーが求めたのは優れた悪路走破性ではなく、SUVっぽさをわかりやすく感じることができたハスラーでした。

 ハスラーは2020年に2代目の発売が開始された一方で、「アクティバ」は前記したように同年に生産終了。

 ただし、2代目ハスラーの対抗馬として登場したタフトは、ハスラーが備えていた道具的なフォルムやレジャーに最適な室内装備、また使いやすいラゲッジスペースを備えつつ、ハスラーにはない広大なガラスルーフを装備しデビューしました。

 逆をいえば、クロスオーバーテイストを求めつつ快適性や上質さを求める人にとって中古車を選ぶ場合は初代ハスラーより「アクティバ」がおすすめといえます。

キャストのグレードや価格

 現在ラインナップされているキャスト・スタイルのグレードは特別仕様車を含めて8タイプ。

 ボディバリエーションが1つになったとはいえベーシックモデルの「X“SA III“」(131万4500円〜)から「Gターボ“プライムコレクションSA III“」(161万1500円〜)まで多彩なモデルを用意しています。

 スーパーハイトワゴンとは違い、室内空間の広大さを売りにするのではなく、いわば「小さな高級車」として位置づけられるモデルのため軽自動車としては豪華なテイストが漂っています。

 一方で安全支援装備のスマートアシスト IIIを装備しつつも、タントにはある全車速追従型クルーズコントロールが用意されていないなど値段のわりに残念な面も……。

 すでにデビューから7年近く経とうとしている今となっては、やや割高さを感じる値付けです。

おすすめのオプション

 何度かお伝えしているように現在、キャストのラインナップは「スタイル」のみとなりました。ミラジーノの後継的なポジションのスタイルには、より上質さを際立たせるパーツがおすすめです。

 とくに外観の上質さを向上させるメッキパーツは吉。単体で購入するよりパックでの購入で30%お得になるメッキパック(6万3888円/ヘッドランプガーニッシュ・フォグランプガーニッシュ・リヤロアランプガーニッシュ)とフードガーニッシュ(2万9678円)、リヤライセンスガーニッシュ(2万5278円)はぜひとも装着したいオプションです。

買うならどのグレード?

 現在購入できるキャスト・スタイルのなかではベーシックモデルの「X“SA III“」以外、装備に大きな差はありません。

 その他グレードは、「G(ターボ)“SA III“」(と同グレードベースの特別仕様車)がファブリックシート表皮、インテリアがシルバー基調なのに対して、「G(ターボ)“プライムコレクションSA III“」(と同グレードベースの特別仕様車)がレザー調シート表皮、インテリアがブラック基調との大きな違いがあります。

 現在購入できるグレードのなかでは、シートヒーターやパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックが装備され、他のグレードにはないバーガンディ色のアクセントカラーがインテリアに施されている「Gターボ“VS SA III“」がおすすめ。装備が充実しつつも、「Gターボ“SA III“」より価格が抑えられているのがお買い得です。


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