ちょっと商品力が……と思ったらまさかの大ヒット! 実力以上に売れまくった国産車6選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■売れなさそうなのに大ヒットしたクルマをピックアップ

■乗り換え需要が高まっている時期にリリースするのがヒットの理由のひとつだ

■使い勝手より見た目重視で成功したモデルもある

ジャーナリストは「?」でも市場で大人気になったクルマたち

 販売の好調な車種は、多くの人達が使っている以上、優れた商品と判断される。良いクルマが、市場のニーズに合わず売れ行きを低迷させることはあるが、商品力の乏しい車種が好調に売れることはない。

 しかし稀に、総合的に見て、売れ行きが実力以上に達する車種はある。そこにはいくつかの条件があるから考えてみたい。

 実力以上に好調に売られる車種でもっとも多いのは、従来型は商品力が高く順調に売られながら、フルモデルチェンジを受けて商品力を下げた場合だ。従来型の人気が高かったから保有台数も多く、発売直後は実力以上の売れ行きになる。

 この典型が最終型の3代目トヨタ・ヴィッツだ。1999年に登場した初代モデルは、欧州車風のクルマ作りが共感を呼んで好調に売れた。2005年に発売された2代目も、初代の路線を踏襲しながら各部の質を高め、高人気を保った。

 ところが2010年に登場した3代目は、2008年に発生したリーマンショックの影響で、内装の作りが粗くノイズも大きい。乗り心地も悪化した。販売店からは「新型(3代目ヴィッツ)はコストダウンが激しく、先代型のお客様に、新型への乗り替えを提案できない」という悲痛な声も聞かれた。

 それでも発売当初の売れ行きは堅調で、2011年には、東日本大震災に見舞われながらも1カ月平均で1万台以上が届け出された。その後に登録台数が下がり、5年後の2016年の1カ月平均は約6000台になった。5年間で40%の需要を失ったが、発売直後は堅調だった。

 このほか、日産マーチも初代と2代目は商品力が高く、3代目も悪くなかったが、現行型の4代目はリーマンショックや生産工場の変更が災いして商品力を下げた。ただし、発売直後は乗り替え需要が多く堅調だった。

 同様にbBも初代の商品力は悪くなかったが、2代目で後席の居住性と乗り心地が下がった。最終的にbBは廃止されたが、発売当初の売れ行きは堅調だった。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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