EVの台頭でハイパーカーはヤバイ領域に突入! もはや「2000馬力」「400km/h」が当たり前の時代だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スーパーカーを凌駕する性能と価格を誇るハイパーカーにも電動化の波が押し寄せている

■電動化により最高出力は2000馬力を超えつつあり、最高速度も400km/h以上を記録する

■世界にはEVハイパーカーを市場に送り込もうと開発を進める新興メーカーが数多く存在する

1900馬力のハイパーカーはエンジニアの監視付き

 スーパーカー、そしてそれをさらに上まわるパフォーマンスとプライスでカーマニアを魅了するハイパーカーの世界にも、電動化の時代は確実に訪れている。とりわけフルエレクトリックのハイパーカーは、そのスペックシートに1000馬力、あるいは2000馬力を超えようかという数字を躍らせ、400km/h以上の最高速を可能にする。そのスタイリングは、いかにも現代に誕生した最新世代のスポーツカーといった斬新な美しさを持つものばかりだ。

 その象徴的な例としてまず紹介したいのは、ピニンファリーナが2010年代終盤から、ピニンファリーナ・セロのコードで開発プロジェクトを進めてきた「バッティスタ」だ。

 そのネーミングはピニンファリーナの創始者である、バッティスタ・ピニン・ファリーナに由来するもの。フェラーリのエンツォと同様、何よりも価値のある名を、ピニンファリーナはこのEVハイパーカーに与えたことからも、彼らがこの新型車に賭けた意気込みは良く理解できる。

 バッティスタのパワーユニットは、EV技術においてポルシェ、そして現在ではブガッティなどとも提携関係にあるクロアチアのリマック社と共同で行われた。バッテリーパックはフロアとセンタートンネル下に120kWh分を搭載。エレクトリックモーターは、4輪の各々に組み合わされ、最高出力は1900馬力、最大トルクは2300Nmにも達する。

 参考までにピニンファリーナによって発表された運動性能データによれば、0-100km/h加速が2秒以内。最高速は350km/hを実現する。一方で、フル充電からの最大航続距離は450kmを可能にするというから、実用性も十分に考慮されている。

 また、150台が限定生産されるバッティスタは、常時すべてのモデルがエンジニアによって遠隔監視されており、トラブルが発生すると即座にオーナーに連絡が入る仕組みとなっているのも注目に値するところだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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