「フェラーリよ、お前もか!」 「プロサングエ」に「ロータス・エレトレ」誕生でスーパーSUVが超激戦区に (1/2ページ)

この記事をまとめると

フェラーリのSUV「プロサングエ」が間もなく発表予定

■ロータスやアストンマーティンからもSUVを超えるスーパーSUVが発表されている

■フェラーリの参入によりスーパーSUVカテゴリーがますます加熱されることになりそうだ

いよいよフェラーリのスーパーSUVが登場する

 もはやどのスポーツカーメーカーも、SUVやクロスオーバーを持たなければ、その販売台数を飛躍的に向上させることは不可能なのか。思わずそう考えさせられたのは、かつて何回もインタビューの場で首脳陣に訪ねても、SUVや4ドアモデルを市場に投入する計画はないと答えていたフェラーリが、SUVならぬFUV(フェラーリ・ユーティリティ・ビークル)の名のもとに、「プロサングエ」とネーミングされたニューモデルを2022年中に発表するというインフォメーションを得たときのことだった。

※写真はFERRARIインスタグラムより

 イタリア語で「サラブレッド」を意味するプロサングエの登場は、ライバルメーカーに大きな影響を与えることは間違いのないところだろう。SUVというよりも、その低い車高からクロスオーバー型の5ドアモデルと考えられるプロサングエだが、そのスクープフォトから判断するかぎり、それはフェラーリの現行モデルラインアップと同様に、大胆な造形のフロントマスクを持ちながら、全体的にはスムースなライン構成でカスタマーの目を魅了するモデルに仕上げられていることは確かなところだ。

 当然のことながらプラットフォームも、プロサングエのために新開発されたものとなる。これは将来的なフル電動化にまで対応しており、最初に登場するモデルのパワーユニットは、296シリーズと共通のV6 ツインターボPHEVに始まり、後に1000馬力オーバーの、V型12気筒PHEVなどが追加設定されるなどという噂も流れている。駆動方式はAWDの可能性が高いが、これもプロサングエのキャラクターを考えれば当然の選択といえるのかもしれない。

 フェラーリのプロサングエに先行して、ブランド初のSUVを公開したのはイギリスのロータスだ。「エレトレ」と名づけられたそれは、これまでライトウエイトスポーツにプロダクトを集中してきたロータスの作とは思えないほどのビッグサイズSUV。しかもそれは内燃機関を搭載しない完全なBEVとして設計されたニューモデルなのだ。ちなみにロータスは、それを「ハイパーSUV」と呼ぶ。最高出力は600馬力、0-100km/h加速は3秒以下、そして最高速は260km/hを可能にするというのだから、そのハイパーSUVという表現も自然に受け入れられる。

 一方で100kWh以上が搭載されるリチウムイオンバッテリーによって、満充電から600kmの走行を可能にしているのも大きな魅力。ドライバーは「レンジ」、「ツー」、「スポーツ」、「オフロード」という4タイプのドライブモードを選択でき、それによってエアサスペンションの設定などが最適化されるシステムとなっている。見た目の第一印象から、優秀なエアロダイナミクスを予感させるエクステリアデザインも実に魅力的。エレトレはロータスに新たなカスタマーを呼び込むだろう。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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