派手な「ウリ」はないけど乗ればわかる「いぶし銀」の魅力! プロが太鼓判を押す「なんかいい」クルマ5選 (2/2ページ)

名前だけだと「パッ」とはしないけど乗ればわかるその良さ

 3台目は、軽自動車のなかでもいちばんベーシックなモデルとして手堅い人気を保っている、スズキ・アルト。近年はスライドドアのついたスーパーハイトワゴンや、SUV系のハスラーなどが軽自動車の主流になっていますが、それでも、マイルドハイブリッドを採用した新型アルトに乗ると、まるでターボかのようなパワフルな加速フィールにびっくりし、インテリアの質感も高まって、何より後席スペースも「これで十分だよね」と思える広さを確保。

 1人〜2人で乗るなら、燃費もいいし価格も手頃だし、とても快適なベーシック軽となっています。従来は、激速なスポーツモデルのアルトワークスがあったのですが、現行モデルには登場しないというアナウンスがあったのだけが残念なところでしょうか。

 4台目は、ミドルSUVでPHEVもラインアップしているミツビシ・エクリプスクロス。攻めてるデザインや、日本の道でも扱いやすいサイズ感が美点で、走りもスポーティさと4WDによる安定感が高次元にバランスされていて、「なんか良いよね」なのです。

 ただ、どうしても兄貴分のアウトランダーPHEVのインパクトが強いので、陰に隠れちゃってるようにも思えるのがもったいないところ。エクリプスクロスPHEVなら、屋外で使える1500Wの給電もあるし、後席も荷室も十分な広さでファミリーにもピッタリなSUVです。

 5台目は、ここ数年で一気にラインアップが増えたEVの中では、最初の登録車としてデビューした日産リーフ。今となっては、斬新なデザインでもなく飛び道具的な装備があるわけではないのですが、5人乗りで使いやすいパッケージングと、世界を牽引してきたEVメーカーとしての知見がしっかりフィードバックされた走りは、乗るとやっぱり「良いよね」となります。

 リーフは充電口がボンネット先端に設置されているのですが、2010年の初代リーフのデビューに合わせて、日本全国に急速充電器が導入された経緯がありますので、位置がリーフを想定して設置されているところもあり、出外での充電スタンドが使いやすいというのも利点かもしれないですね。バッテリー容量が40kWhと62kWhの2タイプあって、使い方に応じて選べるようになっています。

 ということで、ここがスゴイ! と並べ立てるような特徴はあまりないけれど、乗ってみると「なんか良いね」となるクルマをご紹介しました。どこか一部だけが突出しているクルマは話題性や目新しさがありますが、そうでないクルマのほうが実際に乗ってみたり、使い込んでいくうちにじわじわと良さが沁みてくる、ということも多いのかもしれないですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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