過積載も原因のひとつだった! 硬そうに見えるアスファルト道路に「轍」ができるワケ (2/2ページ)

過積載による道路へのダメージは深刻

 もうひとつ、塑性変形輪数という基準もあって、こちらは

舗装計画交通量(単位 1日につき台)/塑性変形輪数(単位 1ミリメートルにつき回)

3000台以上/3000回

3000台未満/1500回

 が基準だ。

 この基準以内の交通量であれば、アスファルト舗装は大体10年はもつといわれているが、乗用車の通行をメインで設計した住宅地の道路を大型車が頻繁に走ったり、高速道路や幹線道路でも過積載のクルマが通れば、道路はたちまち傷んでしまう。

 とくに過積載による道路へのダメージは深刻で、重量超過車両による道路橋の劣化への影響は、重量(軸重)のなんと12乗に比例するとのこと。

 たとえば、軸重が最高限度の10トンを2トン超えて12トンで走行した場合、軸重10トン車が9回走行したのと同じ影響をあたえてしまう。

 さらに、軸重が基準(10トン)の2倍超過して走行した場合、道路橋に対して、たった1台でも、軸重10トン車の約4000台分以上の走行に相当し、大きく轍が掘れるだけでなく、ときには道路に穴が開いてしまうことも!

 というわけで、轍を作る三大原因は、過積載と渋滞(停止)、そして路面温度の高さに集約できる。

 昨今の真夏の暑さは、短期的にどうこうできるものではないかもしれないが、前述のように、道路は舗装計画交通量によって設計されているので、クルマは最大積載量以内でもなるべく軽くして、生活道路などを裏道として多用したりせず、サグ部などでは意識してアクセルを踏み足したりして渋滞を防ぎ、少しでも道路へのダメージを減らし、フラットで快適な路面をキープできる努力はしたい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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