クルマ好きの大好物MT! でも知らない人多数! クラッチを踏んでレバーを動かすと「内部」で何が起こってる? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■MTとATの違いは変速作用を人間が手動で行うか機械が自動で行うかにある

■MTの場合、エンジンとミッションの接続を切り離してギヤを切り替えるためにクラッチが必要だ

■現在のすべてのMT車にはシンクロナイザー機構が組み込まれている

MTとATの違いはどこにある?

 運転免許の歴史をたどると、16歳で軽自動車の免許が取得できたり、自動車の免許を取得すると自動二輪の運転資格がオマケでついてきた時代もあった。いま考えれば、夢のような免許制度だが、普通自動車免許の種類で目立つ変化が見られたのは、1991年にAT(自動変速機)限定枠が設けられたときだった。

 当時を振り返ると、MT車に対するAT車の比率が大きく増え、特殊なモデルを除きほとんどのモデルでAT車が用意される時代となっていた。自動車を日常の足、道具と考えれば、走らせるためにシフトレバーとクラッチペダルの操作が必要なMTに対し、シフトセレクターをDポジションに入れておき、アクセルとブレーキの操作だけで走らせることができるAT車は、老若男女を問わず煩雑な運転操作を必要としない方式として歓迎された。

 では、MTとATの構造的な違いはどこにあるのか? 自動車の変速機について少し考えてみることにしよう。両者の違いは、文字どおり変速作用を人間が手動で行うか、機械が自動で行うか、という点にある。

 ちなみに、なぜ変速機が必要なのか。それは動力源となる内燃機関のトルク特性に起因する。クルマを走らせる、つまり動かす力は、エンジンのトルク(回転力)によるものだが、内燃機関のトルク特性は、低速回転域から高速回転域にいたる回転全域で、山なりのカーブを描いている。極低速域では力がなく、回転上昇とともに力が増ましていき、ある回転数で最高値に達すると、今度は減少していくことになる。

 余談だが、最高出力はエンジン回転数とそのときに発生しているトルク値を掛け合わせたもので、その発生回転数は回転上限値でない。なぜなら、高速回転域は回転数が上がってもトルク値が減少するため、回転数の上昇とトルク値の下降値がもっともバランスしたところで最高出力は得られている。


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