エンジンで燃やせばCO2が出るのに「カーボンニュートラル」ってどういう意味? いま知っておくべき「次世代燃料」の意味

この記事をまとめると

■カーボンニュートラルは実質的な温室効果ガスの排出量をゼロにするための取り組み

■クルマにおいて、EV以外でカーボンニュートラルを目指しているのが「カーボンニュートラル燃料」

■トヨタ、スバル、マツダのカーボンニュートラル燃料は各社で種類が異なる

各社でカーボンニュートラル燃料の種類は異なる!

 最近よく耳にする「カーボンニュートラル」という言葉。これは簡単に言ってしまうと温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにするという取り組みのことである。

 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスは、クルマの排気ガスにも多く含まれているため、最近盛んに叫ばれているクルマの電動化といった取り組みも、このカーボンニュートラルを目指す取り組みのひとつということになるワケだ。

 といっても、いきなり地球上を走るすべての車両を電気自動車だけにするというのは現実的ではないし、インフラの問題やバッテリーの寿命といった別の問題も発生してしまうということで、別のアプローチからカーボンニュートラルを目指しているのが、「カーボンニュートラル燃料」というものだ。

 これは従来のクルマのように内燃機関を用いて走行するために使用する燃料のことであり、トヨタやスバル、マツダなどがモータースポーツの世界にこのカーボンニュートラル燃料を用いた車両を参戦させながら実証実験を行っている真っ最中となっている。

 そんなカーボンニュートラル燃料ではあるが、これを使用すれば排気ガスから温室効果ガスが全く排出されない……というワケではなく、燃料を精製する段階で二酸化炭素を消費することで、排出される二酸化炭素とトレードオフの関係にするというものとなっているのだ。

 現在、トヨタやスバルが使用しているのは、水素と二酸化炭素を合成して製造される「合成燃料」というものであり、マツダが使用しているのはミドリムシが培養方法によって体内に軽油に近い油を作り出すことに着目し、これを抽出・精製したものを使っている。

 前者の場合は直接二酸化炭素を原料としており、後者はミドリムシが成長する上で二酸化炭素を吸収するために排気ガスに二酸化炭素が含まれていてもプラスマイナスゼロになるということになるのだ。

 また、そのほかにもサトウキビやトウモロコシを原料としたり、木材や藁といったセルロース系原料を使用したバイオ燃料などは実は古くから実用化されており、こちらも植物が成長する上で二酸化炭素を消費するため、カーボンニュートラル燃料となっている。

 このように一口にカーボンニュートラル、カーボンニュートラル燃料といってもさまざまな角度からのアプローチがなされており、カーボンニュートラルによってすべてのクルマが電動車になってしまうワケではないのである。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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長距離ドライブ
好きな有名人
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