オラつかなくても存在感は示せる! 新型ZR-Vの純正パーツはセンスで勝負していた (1/2ページ)

この記事をまとめると

ホンダの新型SUVであるZR-Vの純正アクセサリー装着車が公開された

■個性や豪華さを強調するのではなく「本質的な機能美の追求」がコンセプトになっている

■エアロやホイールだけでなく、特別感が演出されるイルミネーションアイテムも充実

派手で豪華なSUVはもう飽きた!

 ホンダの新しいSUV、ZR-V用の純正アクセサリー装着車が早くも公開された。

 今回も長年にわたりホンダ車のディーラーオプションパーツの開発を手がけてきたホンダアクセス(オーディオの「Gathers」やスポーツ系パーツの「Moduro」ブランドも手がける)によるもので、ホンダ車としては初の設定となる攻めたパーツもリリースされる。

 開発の全体をまとめたチーフエンジニアの苗代圭一郎さん、デザインのまとめ役を担った佐藤友昭さんの話を聞くと、ZR-Vという新型SUVを純正用品でグレードアップさせることに対する思いの強さが伝わったので、それを交えながらZR-V専用の注目パーツを紹介しよう。

 まず、開発コンセプトの説明を聞いて印象的だったのは、個性や豪華さを過度に強調するのではなく、本質的な機能美を追求した姿勢だ。ZR-Vはヴェゼルのワンランク上の車格に位置付けられるSUVということだが、クルマ自体が備える上質感や個性をこれ見よがしに強調するのではなく、まわりから「あのSUVのオーナー一家はセンスが良いね」と思われるような価値観の創造を目指したという。

 それを象徴するポイントのひとつが、フロントグリルの加飾パーツを設定しなかったこと。フロントグリルをメッキ化したり、メッシュ形状を大胆なものにするなどして、クルマの顔つきを厳つくする手法はカスタムの定番であり、SUVやミニバンユーザーの一定の層に強く訴求する商品性を発揮する人気アイテムだが、ZR-Vではあえてそれを求めなかった。

 ZR-Vはノーマルのままでも十分に威風堂々としたフロントグリルとされており、そこには手を加えず、グリルの脇を固めるフォグライトのデザイン性を高めることで、フロントマスクの印象を引き締める効果を狙ったのだ。大きなフロントグリルをさらに強調させ、良くも悪くも強い存在感で周囲を威圧するようなクルマにはしたくなかったという。

 ZR-Vのボディ斜め下方向に伸びるキャラクターラインは、顎を引いたような精悍な姿勢が特徴的なのだが、試行錯誤を重ねてその個性を際立たせるデザインのフォグライトとした。発光色は定番のホワイトのほか、降雪地方などで根強い要望のあるイエローも最初から用意されている。

 実際、ミニバンやSUVでは、ギラギラしたフロントグリルによる押し出しの強い顔つきを求める演出が一定の支持を得られるのは間違いない。しかし、ZR-Vはまわりの人との関係性を大事にしたいとの思いが込められているので、個性を過度に見せびらかすようなアクの強さを出さないよう配慮した。押し出し感よりも、洗練性やセンスの良さを感じさせる大人っぽさを重視。そこに共感するユーザーは多いはずだ。

 外装のエアロパーツは、「X」「Z」のどちらのグレードに合わせてもマッチングが良いよう、ガンメタとブラックを巧みに配色。フロント/リヤ/サイドのセットでの装着を理想としながらも、たとえばフロント単品のみでもシックでクールな印象を際立たせる十分な効果を発揮するという。車両本体とアクセサリー用品の開発が同時進行的に行われ、かつそれぞれの担当者が綿密な対話を重ねながら志を同じくして臨んだことが伝わる部分のひとつだ。

 また、最近のクルマは安全支援システムのレーダーやセンサー類への影響を考慮しなければならず、メーカー純正ブランドとしては、ホイールのインチアップやローダウンなどのカスタムはやりづらいという問題が立ちはだかる。そこで苗代さんが肝いりで設定を後押ししたという19インチのアルミホイールは、運転支援デバイスへの影響は一切なく、かつコンフォート性の悪化も見られないよう入魂開発。

 切削加工やベルリナブラックの採用により、欧米ブランドのSUVで良く見られる20インチ級の大径ホイールに遜色のない、センスの良さを感じさせる存在感を演出できた。タイヤは、ヨコハマのブルーアースGTがベストマッチだという。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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