風洞も戦略室もエンジンベンチも全部見た! ホンダの「モータースポーツ」を生む超最先端極秘施設「HRC Sakura」に潜入 (1/2ページ)

この記事をまとめると

ホンダのレース分野を担う「HRC」の研究施設に潜入

■世界初の設備などが投入されておりレース現場を最先端技術で支えている

■レースで得た技術を市販車の領域でも展開していくのが目標のひとつだ

部外者侵入厳禁!? トップシークレットなヒミツのラボに潜入!

 8月2日、ホンダのレース活動を支えるHRCより「2025年末まで、F1に参戦するレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの両チームのPU(パワーユニット))の技術サポートを継続する」と発表があった。”ホンダ”の名前こそ冠さないものの、ホンダの技術やエンジニアが昨年の劇的勝利をもたらしたF1シーンにもうしばらく残ることを意味する発表は、モータースポーツファンやホンダファンにとって熱いニュースだったことに違いない。

 発表を行った会場は、栃木県さくら市にある2015年に建造された「HRC Sakura」。ここは、ホンダのレース活動に関するあらゆる研究開発が行われている施設であり、言わばホンダの誇る最高峰の技術が集結している場所なのだ。ちなみに、「HRC」というのは1954年に参戦した2輪レース「マン島TT」以来、ホンダの2輪活動を支えてきた「Honda Racing Corporation」の略。活動開始以来67年にわたって2輪のレースシーンを中心に支えてきた同ブランドが、今年より4輪分野と合併し、さらなる技術躍進を目指して再出発したことは記憶に新しい。

 今回は、そんな「機密の塊」と言っても過言ではないほど厳重に管理された魅惑の施設の裏側を、我々メディアを対象に特別に覗かせて頂いたのでリポートしたい。

 施設の紹介や今後の活動内容の発表をブリーフィングルームで終えたあとに、まず我々が向かったのはパワーユニットを組み立てる部屋(といっても流石に内部には入れないのでガラス越しからの見学)。ここでは、世界中で戦っているマシンの心臓部となるエンジンの「組み立て」「分解」「整備」を行っている場所だ。

 ここでは、エンジン1機を1日8時間、約7日ほどかけて組み立てるスケジュールで動いており、基本的には2人で1台組むイメージなんだそう。そのほか、センサーなどは別の担当者がいるとのことで、エンジン1機におおよそ5人くらいがかかわるという。もちろんクルマ好きなら誰もが憧れる「手組み」となる。後述するが、組み立て後、この施設内にあるエンジンベンチ室でラッピングまで行えるので、すべてHRC Sakuraで完結する。組み立て後にテストなどを通してHRCの定める必要な要件を満たしたら、世界のレース現場へエンジニアとともに直送される。この日は取材前に開催されていたF1で実際に使用されていたエンジンが戻ってきており、細かい点検が行われていたそう。現物は見られてなかったが、その事実だけでもクルマ好きの端くれとしては痺れる案内だった。

 ちなみに、思っていたより若手のスタッフが多い印象だったが、これは技術の継承などを兼ねているほか、若手のほうが体力があるので世界の過酷なレース現場に向いているという事情などもあるとか。モーター”スポーツ”というだけあって「なるほど」な話だった。そのほかに、ご存じスーパーGTのエンジンもここで組まれており、F1とスーパーGTはそれぞれ担当制で、3年周期くらいで入れ替わるそう。

 エンジン関係で言うと、そのほかにX線CT検査を行う部屋もあり、目視では確認できない異常をX線を通して検査して、パーツの品質や異常をレース前に見極めることもできるそう。主にピストンやハーネス、センサー類を見ており、施設内でもこの部署はかなり忙しいんだとか。これにより、メカトラブルなどを前もって防げるので、レースでの心配事を極力減らせるとのことだ。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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