「最新が最良のポルシェ」に異論なし! なれど「歴代のどんなポルシェ」も楽しいもまた真実だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■現行型のポルシェには趣味趣向・ライフスタイルにあったモデルがラインアップされている

■空冷911はクラシックカーとして価値を持ち、水冷911なら好みにあった状態のいいモデルを探せる

■911以外のポルシェも、どの年代でもオーナーを魅了して楽しませてくれる魅力を持つ

現行型ならライフスタイルにあわせたモデル選択ができる

 ポルシェというブランドは、どの年代のどのモデルを購入しても、オーナーを満足させてくれるのか。

 簡単なようで、これは恐ろしく難しい質問だ。話が現在販売されている新車となれば答えは比較的シンプル。自分自身の経験から考えても、スポーツカーなら伝統の911シリーズに始まり、718ケイマンや718ボクスター(もちろんスパイダーも含む)、SUVならマカンにカイエン、カイエンクーペ、さらには4ドアサルーンのパナメーラやEVのタイカン、タイカン・クロスツーリスモと、およそ自分のライフスタイルに合わせたモデルを選択することが可能なラインアップが用意されている。

 実際の性能も、その満足度は高い。それはもっともベーシックなグレードを試乗してみれば一目瞭然。こう感じるクルマは基本的な設計に優れたクルマといえるし、逆に上級グレードから売れるモデルは高級ブランドとしての価値が認められている証拠でもある。ポルシェはその両方の評価をすでに手にしたブランドなのだ。

 まずはポルシェのアイコン的存在ともいえる911から、今度はどの年代でも、それは満足できるのかを考えてみよう。かつて2017年に、911シリーズの累計生産台数が100万台を超えたとき、ポルシェはその70%が現在も走行可能な状態で現存していると誇らしく語った。

 商用車ならばわからない話ではないが、この時点で911は初代モデルの誕生からじつに半世紀以上の時間を生産され続けていたのである。それからさらに現在は5年以上が経過しているが、その数字はさほど変わってはいないだろう。

 911シリーズにとって大きな歴史の節目となったのは、1994年に誕生した996型。ここでポルシェは長年継承してきた空冷式の水平対向6気筒エンジンを水冷式に改め、同時にシャシーも完全な新設計に。

 したがって概念としては、この996型からさかのぼって993型、964型、930型、そして901型は、すでに十分にクラシックとしての価値を持つモデルと考えることもできそうだ。事実最近では、964型や930型をベースに最新の技術を用いて新車同様のフィニッシュとパフォーマンスを実現するレストモッドも世界的に大流行中。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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