「最新が最良のポルシェ」に異論なし! なれど「歴代のどんなポルシェ」も楽しいもまた真実だった (2/2ページ)

911以外でもポルシェとして満足できるモデルが揃う

 一方オークション・シーンにおいてもこの年代、とくに901型などはその落札価格がじりじりと上がり続けている。レストアのベースとして、あるいはクラシックカーレースを楽しむためにと、空冷時代の911はあらゆる用途でオーナーを満足させてくれること間違いなしの存在といえるのだ。

 996型以降の997型、991型、そして992型は、スポーツカーとして純粋にその走りとGT的な快適さが楽しめるモデルだ。クーペ、タルガ、カブリオレとボディバリエーションが豊富なことや、搭載エンジンの違いや駆動方式による走りのキャラクターの違いなど、自分の好みにあった高コンディションのモデルをまだまだ探すことができるのも魅力のひとつ。中古車市場でのリセールバリューが高い点も見逃せないところだろう。

 SUV系のマカンやカイエンも、その機能性だけではなく走りを十分に楽しめるモデル。姿カタチはSUVであっても、カイエンに設定されているトップモデルのターボGTなどは640馬力もの最高出力を誇る4リッターのV型8気筒ツインターボエンジンを搭載するモデル。その数字だけを見れば、まさにスーパースポーツ並みの実力であることは誰もが簡単に理解できることだろう。一方でマカンのベースモデルは、その車両価格が754万円とポルシェとしては比較的リーズナブルな設定だ。

 924や944、968といった、かつての4気筒FRシリーズ、そして8気筒FRの928は、感覚としては非常に趣味性の強いモデル達だ。それだけに中古車市場に出まわる売り物の数も多くはない。これは911のクラシックにもいえることだが、あくまでもレストアベースと考えるべきモデルでその後の作業を楽しみたいというユーザーならば、それはそれで面白い選択ではある。ちなみにすでにある程度のコンディションに仕上がったこれらのFRモデルは、クラシックの価値が高まったこともあり、世界的なオークション市場でも人気は高い。

 ポルシェはどのモデルでも、そしてどの年代でも、オーナーを魅了し、そして楽しませてくれる魅力を持つことは確か。ディーラーはもちろんのこと、スペシャルショップも日本には数多くあるので、自動車趣味の入り口として、ぜひおすすめしたいブランドだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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