高速で手放し可能なプロパイロット2.0も採用! 新型日産セレナは先進性が炸裂した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産のMクラスミニバン「セレナ」がモデルチェンジを実施した

■先進性を感じさせる新世代VモーショングリルやLEDヘッドライトなどを採用しスタイリッシュに変身

■室内空間のパッケージングはほぼ不変も各種改善でゆったりと寛げるスペースを実現

日産のMクラスミニバン「セレナ」もついにモデルチェンジ

 いよいよ、国産ミニバンのメインストリームとなるMクラスボックス型ミニバンの1台、日産セレナの6代目となる新型が登場した。2022年にはトヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンが新型となり、ついに国産Mクラスボックス型ミニバンの最新型が出揃ったことになる。

 新型のコンセプトは、先代と変わらず、「BIG」、「EASY」、「FUN」が柱で、それに新たにいまだからこその「CONNECT」を加えた4本柱となる。プラットフォームは先代C27型からのキャリーオーバー。つまり、大ヒット作となった先々代から先代へもプラットフォームはキャリーオーバーだったから、3代続けてのプラットフォームの共用ということになる。もちろん、キャリーオーバーとは言っても、最新の技術、進化が盛り込まれているのは当然で、このあたりはあまり気にしなくていい。

 新型セレナに初めて接した印象は、どこから見てもセレナではあるものの、迫力を増しつつ先進感が与えられたフロントグリル、縦に小さく配置された斬新なLEDヘッドライト、シュプールラインを継承した“すっきり”としたサイドビューにとくに新しさ、新型らしさを感じることができる。

 ボディは5ナンバーサイズを基本に、ハイウェイスターのみ専用バンパー、エアロパーツによって3ナンバーとなるところも先代同様。ボディサイズも大きく変わるところはない。が、ハイウェイスターの全幅は先代の1740mmから1715mmになっている。これは、先代ハイウェイスターはいかにも後付けのような、ボディサイド下のグラディングパネルが車幅に影響していたから。

 新型はサイドビューのシームレス感を出すため、すっきりとした段差のないドアパネルとなっている。ゆえにそのぶん車幅がマイナス25mmになったわけだ。また、セレナのエクステリアデザインの大きな特徴となる、ウエストラインのシュプールラインを継承している。

 ホイールはアルミホイールをグレードにより2タイプ、そして非アルミホイール用のホイールカバーを用意。じつは、ノートで好評なのがホイールカバーで(アルミホイールよりカッコいい!?)、それを受け、ホイールカバーのデザインにもこだわったそうだ。

 そしてホイールベースを10mm延長。じつはここに新型らしさがあり、理由は大径タイヤの採用にある。これは法改正によって、乗員ひとり当たりの体重が以前の55㎏から75kgに増えたため、荷重対応が必要で、全車16インチタイヤに統一するとともに、サイズを195/65R16から205/65R16にサイズアップしたため、ホイールハウスが大きくなり、それによる室内空間のマイナスを補う意味で、ホイールベースを10mm増やしたのだという。

 とはいえ、全長は先代ハイウェイスターの4770mmから、デザインによって4765mmへとむしろ5mm短くなっているから、先代に対してボディが長くなった、大きくなった(運転がしにくくなった)……ということは一切ない。

 また、先代で好評かつセレナ独自の実用ポイントだった、ライバルにないデュアルバックドアも継承。ボックス型ミニバンのバックドアを開くには、車体後方に約1m前後のスペースが必要になるのだが、ガラスハッチだけでも開閉できるデュアルバックドアによって、車体後方の必要スペースは新型でも550mm程度で済み、壁や後ろのクルマにギリギリに止めても、ラゲッジルームの荷物の出し入れが可能になる便利さがあるのだ。

 そうそう、新型セレナでは、フロントバンパー左右に「エアカーテン」と呼ばれるスタイリッシュな通気口が設けられている。

 ボディをワイドに見せるとともに、空力性能の向上、横風安定性などに寄与するという。

 新型セレナはインテリア、とくに運転席まわりの進化、先進性が目玉となる。とくにメーターパネルはフードレスのタブレットのような大型液晶メーターと、それにつながるこれまた大型液晶のセンターディスプレー(純正ナビ)が並び、まるでBEVのアリアのような先進感を演出。

 しかも、シフトレバーを廃止し、左からP-R-N-D/Bと並ぶボタン式電制シフトを採用。それはそれで先進感たっぷりで、操作性も悪くないのだが、その左側にハザードスイッチ、グレードによってプロパイロットパーキング、e-Pedal、EVスイッチが横に並び、運転席からはけっこう遠い位置になってしまうのが、ちょっと気になる点である。

 ついでに言っておくと、パワースイッチは、筆者の前寄りのドライビングポジションでは、ステアリングホイールとワイパーレバーに隠れる位置にあるのも、要改良点だと思えた。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報