家族の幸せは「後席の快適性」にあり! Mクラスミニバンの3強「ステップワゴン vs ノアヴォク vs セレナ」を徹底比較した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新型ステップワゴンが発売となり、Mクラスボックス型ミニバンの3強が出揃った

■ミニバンは多人数で乗るユーザーも多いため、後席の快適さが重要

■そこでさまざまな視点から3台の後席を比較した

キャプテンシートの違いは?

 いよいよ新型ステップワゴンが発売され、Mクラスボックス型ミニバンの3強が揃い踏みしたところだ。そこで、新型ホンダ・ステップワゴン、トヨタ・ノア&ヴォクシー、そして来年にはフルモデルチェンジされるはずの日産セレナの3車の後席居住性を徹底比較したい。あえて後席にフォーカスしたのは、ミニバンの特等席が2列目席であり、また多人数乗車可能なクルマして、3列目席の居住性も大切だからである。

 まずは3車の後席乗降性から。ステップワゴンは開口部幅770mm、開口部高1230mm。ステップ地上高390mm。ノア&ヴォクシーは開口部幅780mm、開口部高1250mm。ステップ地上高380mm。いずれもワンステップフロアとなる。セレナは開口部幅800mm、開口部高1305mm。ステップ地上高は1段目が390mm、フロアは70mm高い460mmの位置にある。そう、セレナのみ2段重ねのフロアになる。開口部幅、開口部高ともに広々としているものの、階段を2段上がるような乗降性になってしまうのだ。健常者ならどうということはないが、足腰の弱った高齢者だと、ステップワゴンやノア&ヴォクシーのほうが乗り降りしやすそうだ。

 Mクラスボックス型ミニバン2列目席で人気なのがキャプテンタイプのシート。リッチな居心地、かけ心地が得られ、このクラスでもファーストクラス感ある居住感覚を味わえるからである。また、キャプテンシートをロングスライドさせたときの足もとの想像を超えた広々さも魅力となる。で、ステップワゴンの先代キャプテンシートは前後スライドのみ。新型でやっと先代ノア&ヴォクシーや現行セレナ同様の左右スライド機構を完備している。キャプテンシート仕様でも、左右のキャプテンシートを中寄せすることでセミベンチシート化できるのがポイントで、子育て世代にはうれしいアレンジ性と言える。

 ところがだ、新型ノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシートは、先代と違い、中寄せスライドせずともストレート超ロングスライドできる機構を採用した代わりに、中寄せスライドを廃止。キャプテンシート仕様で買ってしまったら、永遠に!? キャプテンシートのままでしか使えないのである。もちろん、セレナはセパレート、セミベンチシートのアレンジが可能だが、シート自体のキャプテンシート感は薄く、新型ノア&ヴォクシー及びステップワゴンのスパーダ以上のグレードに用意されたオットマンの設定は、ない。

 ここまででは、2列目キャプテンシートの居心地、1レバーで行えるようになったシート調整&アレンジ性といった点では、先代から一転、新型ステップワゴンが優位と考えていいかも知れない(キャプテン&セミベンチシートの両立という意味でも)。シート自体のかけ心地は座面の厚みを増したステップワゴン、ノア&ヴォクシーが優れている。

 では、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後の居住空間はどうか。ステップワゴンは頭上に260mm膝まわりに最大600mm。ノア&ヴォクシーは頭上に230~260mm(2列目席スライド位置による)、膝周りに最大600mm。セレナは頭上に280mm、膝まわりに最大520mmだ。空間の余裕では、ステップワゴンとノア&ヴォクシーがリードしている。セレナもフラットフロアだがそこに多数あるレールがうっとうしくも感じてしまいがちだ。なお、新型ステップワゴンはパワースライドドアのスイッチが、ドアにはもちろん、新たにセンターピラーにも用意されている。セレナは3列目席にスイッチがある。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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