使ってわかった「手放せなくなる」感! すべてのクルマに「標準化」すべき装備9つ (2/2ページ)

メリットしかない便利機能たちをもっと標準で採用してほしい!

●巨大なバックドアの途中ストップ機能

 これは、ボックス型ミニバン、スーパーハイト系軽自動車にとって、全車標準装備にしてほしいと思えるのが、バックドアの途中ストップ機能。ボックス型ミニバン、スーパーハイト系軽自動車のバックドアは大きく、全開するためには、ボックス型ミニバンの場合、車体後方に約1mものスペースが必要になる。壁や後ろのクルマにギリギリに止めてしまうと、バックドアを全開できず、クルマを前に出す、アクロバティックな姿勢で荷物を出し入れすることになる。パワーバックドアであれば、途中で止めることもできるのだが、非パワーバックドアではそうもいかない。

 が、4代目ノア&ヴォクシーがそうした悩みを解消。カラクリを使ったフリーストップドアは、止めたいところでちょっとバックドアを押すことで、そこで止められ、車体後方にスペースがない場所でも、意外なほど、荷物の出し入れが容易になるのである。

 ボックス型ミニバン、スーパーハイト系軽自動車でパワーバックドアがコスト的に難しい車種、グレードでも(ノア&ヴォクシーを除いて)、そうしたアイディアを標準装備してもらいたいものだ。

●平均燃費計&外気温度計

 細かい話では、平均燃費計も標準すべき装備、機能だと思っている。それも、メーター内のできるだけ目立つ場所に”大きく表示!”である。平均燃費計の数値が視界に入ることで、たとえば19.9km/Lを指していたとすると、心理的に20km/L台に乗せたいと、より燃費に気遣った走りを行うアドバイス的インフォメーションになるからだ。瞬間燃費計だけでは、そうはなりにくい。

 また、外気温度計も、冬季にはぜひとも標準化してほしい装備だ。車内から外気温を知ることで、路面の凍結に対する環境がわかるので、安全運転に直結するのである。

●電動パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能

 電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能も、できれば標準装備してほしい装備だ。フットブレーキに対して足もとが広々し、踏む力も必要なくなる。また、レバー式に対しても、センターコンソール部分のスペースが有効に使えるメリットがある。

 しかし、なによりも高速走行に欠かせないACC(アダプティブクルーズコントロール)の渋滞時などでの停止保持機能、そして一般道での一時停止時にブレーキを踏み続けなくていいオートブレーキホールド機能とセットの装備だからである。軽自動車の採用例も増えてきているので(スズキを除く)、安心快適な運転をサポートする装備として、多くの車種に標準装備してもらいたい。

●ペダル踏み間違い抑制装置のブレーキ制御

 先進運転支援機能は、いまでは衝突軽減ブレーキ(自動ブレーキ)などが装着義務化されているが、そうしたくくりのなかで、全車に標準装備されていない、しかし標準装備してほしい機能が、まずはペダル踏み間違い抑制装置のブレーキ制御。

 なかには、ブレーキなしの”抑制”制御のみのタイプもあるのだが、高齢者のペダル踏み間違い事故が多発しているなか、ブレーキ制御付きだとより安心・安全ということだ。

●ブラインドスポットモニター

 筆者が衝突軽減ブレーキ以上に、普段の走行でありがたみを感じる先進運転支援機能のひとつが、ブラインドスポットモニターだ。一般道、高速道路を問わず、車線変更時のうっかり接触事故を未然に防いでくれる機能として、衝突軽減ブレーキより日常的というか、普段からありがたい装備だと思っている。

 装備するには車体後部にセンサーなどを埋め込む必要があり、車体全長に制限がある軽自動車への採用は難しいと聞いているが、そこを、事故低減のためにも、なんとか標準装備してほしい装備と言っていい。

●ACCのカーブ手前減速制御

 そうそう、いまでは軽自動車にもACC(アダプティブクルーズコントロール)が用意される時代になっているが、ACCは高速道路、自動車専用道路で設定した速度で走り、全車に任意に設定した距離で追従し、渋滞時には停止保持後、前車が発進すれば、再び追従走行を始めるなど、とくにロングドライブ、渋滞時にはありがたみMAXの先進装備。

 が、たとえば80km/hにセットして走っていて、カーブなどに遭遇しても、80km/h走行のまま。カーブによっては曲がり切ることができず(危険)、減速、ブレーキ、ACC解除の必要があり、ACCの便利さが損なわれてしまう。そこで、せっかくACCを装備するなら、プロパイロット2.0やアイサイトXの高精度3Dマップや準天頂衛星からの信号受信、ハンズオフまでは絶対に必要とは言えないものの(だってまだ高価だから)、せめて、カーブを認識して、カーブ手前自動減速制御を行ってくれる、日産のプロパイロットで言えば「ナビリンク」付きのような機能を、ACCの使い勝手をより便利かつ安全なものにするためにも、標準化してほしいところだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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