昔から変わらぬ場所にディーラーあり! 国産新車販売店の「移転」「建て替え」「新規出店」が少ないワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新車ディーラーの建て替えにはさまざまなハードルが存在する

■一度構えた店舗を移転させることもデメリットが多い

■郊外などでは新規出店をして成功する例がある

建て替えや移転にはさまざまなハードルが存在する

 よほどの山間部などでない限りは、新車ディーラーの店舗を探すのはそれほど難しくない。ただ、市街地のなかには昭和のころから建て替えも行われずに、令和の今でも現役で営業を続ける店舗も現存する。筆者の実家近くの中心市街地にある、いわゆるディーラー街でも、筆者が小学生のころだから50年近くも建て替えもせずに残っている店舗がある。

 同じ地域でも建て替えを行っている店舗もあるのだが、建築物関係の法令の改正などにより、店舗の敷地面積や立地場所によっては整備工場が併設できなくなってしまうこともあるため、建て替えができない店舗があると聞いている。耐震構造上問題となり建て替えを強いられるケースもあるようだが、そうなるとそこでの店舗営業はクローズすることになり、店舗自体を移転し、新築して営業を継続することになるとのことである。

 ディーラーとしては、すぐ近くならば別だが、基本的に一度構えた店舗を離れた地域へ移転させたくないとも聞いている。「自宅近くに店舗があるから」という理由で、その店舗から新車を買っている人も多い。移転してしまえば、そのようなお客の相当数を失うことになってしまう。つまり次の乗り換えはほかの店舗ということになってしまうのである。

 店舗を単純に閉鎖するだけで、そこで働いていたセールスマンをほかの既存店舗へ異動させるとなると、もっと厄介になる。個人情報保護法などもあり、顧客情報管理も厳しくなっているなか、セールスマンは既納客個々に「異動先の店舗で引き続きお付き合いしていただけますか」と了承を取らない限り、異動先店舗で引き続き顧客管理することはできないとのことである。異動先店舗での顧客管理を拒むと、自宅などから最寄りの店舗をメンテナンス窓口として案内するようだが、そこには担当セールスマンはいないので、コミュニケーション不足となり、他メーカー系ディーラーへ顧客が流れやすくなってしまうのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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