いま新車の買い替えは「逆算」して考える必要あり! 納期遅延が深刻ないま「いつ買えば」「いつ乗れる」?

この記事をまとめると

■現在、新車の納期遅延が深刻

■しかし車種によって状況は異なる

■新車を購入する際、いつ注文すれば良いかを解説

いろいろな購入パターンをチェックすると良い

 今は新車の納期が遅れている。納期の長さは車種によって異なり、ノア&ヴォクシーのような売れ筋のミニバンが、10カ月から1年に達することもある。サクラのように、納期が1年を超えて、受注を一時的に停止させた車種もある。

 この納期が不安定な状態は、いつまで続くのか。メーカーの開発者に尋ねると、次のように返答された。

「最近は以前に比べると、納期の見通しを立てやすくなった。ただし半導体を始めとして、供給が不意に途絶えることもある。その後には再開するが、納期の約束はできない。いつになったらコロナ禍前の状態に戻るかも、今のところ正確にはわからない」。

 納期を遅延させているのは、半導体などの供給不足で、根本の原因は新型コロナウイルスとロシアのウクライナ侵攻だ。この2つの事柄は、先行きが見通せない。新型コロナウイルスについては、再び活発化する兆しも見られる。そうなると納期の遅れも、いつまで続くかわからない。

 納期を短くする妙案はないが、発売直後の車種は、意外に短期間で納車できる場合もある。たとえば新型セレナの場合、発表された11月28日に販売店に納期を尋ねたら、以下のように返答された。「納期はおおむね3カ月に収まる。フルモデルチェンジの直後は、受注が急増することを見越して、生産枠に予め余裕を持たせているからだ。従って発表前の予約受注に応じれば、短期間で納車できる場合もある」。

 ただしこれも車種によって異なる。予約受注の段階で納期が延びたり、発売前までは短く収まっても、発売後に急速に遅延することもある。

 ホンダの販売店では、納期について以下のように説明した。「軽自動車のN-BOX、改良を受けたコンパクトカーのフィットでは、台数は多くないが在庫車も用意している。販売の好調な車種は、予め車両を取り寄せてあるから、短期間で納車できる」。今は在庫車はほとんどないが、念のために、販売店に尋ねてみると良いだろう。

 そして軽自動車は全般的に納期が短い。N-BOXは以前は3カ月だったのが、今は約6カ月を要する。納期が遅れてきたが、スズキのワゴンRは今でも2カ月から3カ月に収まり、タントは遅れ気味ながら販売店では「約4カ月」という。軽自動車を買う時は、購入の候補車種を挙げて、そのなかから納期の短い車種を選ぶ方法もある。

 また購入ではないが、定額制カーリースのKINTOでは、大半の納期が短い。車両の需給システムが新車の販売とは異なるため、新車の注文では納期が1年に達する車種でも、KINTOなら1.5〜2カ月程度で使用を開始できる。従って新車を買う時には、購入や使用のパターンをいろいろとチェックすると良いだろう。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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