トヨタが工場稼働率をアップさせて納期を短縮……も買いたいクルマはそう簡単に手に入らない! 注文すらできない車種もある新車販売事情 (2/2ページ)

状況によっては再び先の見えない納期遅延状態になるかも?

 また、ノア&ヴォクシーでXを除くグレードでパノラミックビューモニターをメーカーオプションとして選択すると、一時は2024年10月あたりまで納期が遅延するとされていたが、本稿執筆時点で調べてみると、2024年2月下旬以降が納期の目安となっていたので、半年ほど納期が短縮されたことになる。

 車種によって状況がバラバラなだけでなく、同じ車種でも組み合わせるメーカーオプションでさらに状況が異なるので、まさにケースバイケースとはなるものの、納車も少し前よりは進んでいるようだ。セールスマンによっては2023年1月あたりは、個々の販売実績(当該月に何台新味登録できたかでカウント)がいまのような深刻な納期遅延が発生する以前の数字にほぼ戻るのではないかという話も聞いている。

 このような明るい話題もある反面、「新規受注が停まっているカローラクロスは生産自体も停まっている」、「ノア&ヴォクシーの納期改善は一時的なもので、納期としては2年ほどかかるので新車購入は避けたほうがいい」といった話もあり、依然として予断を許さない状況になっているともいえよう。

 要は、2023年4月以降になれば再び生産が思うように進まず、納期が再び延び始めるのではないかと考えている販売現場関係者も多いということだ。

 つまり今回、納期がやや改善傾向にあるものの、このまま深刻な納期遅延解消が加速度的に一気に進むと考えるのはぬか喜びとなる確率が高く、半導体の需給体制や、サプライチェーンの混乱(とくにゼロコロナから事実上政策変更した中国における今後の新型コロナウイルス感染拡大の状況次第ではさらなる混乱は避けられない)などの影響もあるので、引き続きリアルタイムで納期が変動していく日々は簡単には変わらないということになりそうだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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