最新ド派手チューンにひけをとらない存在感! 「ケーニッヒ・テスタロッサ」のオーラがヤバイ

この記事をまとめると

■1980年代にコンプリートカスタムカーとして一世を風靡したケーニッヒ・テスタロッサを発見

■大胆なボディワークによる強烈なオーラは現代のスーパーカーにも引けを取らない

■超巨大ウイングとショート丈の竹ヤリにも負けないオリジナルボディの存在感は圧巻

1980年代のカスタムカーの頂点に君臨していたケーニッヒ

ネオンカラーのケーニッヒ・テスタロッサも、奥ゆかしさを感じるほどの年季ものになったということか。大阪オートメッセの6B館、京都のカスタムショップ「トリプルS」のブースで、現代のランボやフェラーリにも負けず劣らず強いオーラを放っていたのが、この一台だ。

 大胆なエアロをまとったド派手な外観と、ノーマルよりパフォーマンスにさらに磨きをかけたコンプリートカスタムカーの先駆として、ケーニッヒ・テスタロッサはバブルの時代に一世を風靡した。エンツォ・フェラーリを激怒させたとか、最終版のコンペティション・エボリューションではV12ツインターボで1000馬力を謳うとか、逸話や伝説にも事欠かない。

 こちらのケーニッヒ・テスタロッサはトリプルSの社長さんが大事にしながら、好みのカスタムを施した個体。ホントは赤ボディだがラッピングでネオンイエローをまとっている。ライトまわりとフロントグリルはスモークのプレクシグラスで覆われ、エッジを効かせつつ流麗という、80sエレガントなボディラインを引き立てる。

 ホイールにも注目だ。銘柄はフォージアートで、ディープリムも5本スポークも80sの定石といえる正調ディテールだが、スポークが思い切りコンケーブしてリムに食いつくという、思い切りクセのある仕上げに思わず見入ってしまう。エアサスで着地仕様とはいえ、こんなホイールをサラリと履けるのもケーニッヒのオーラのなせる技。

 そしてリヤには巨大なカーボンの可変式ウイングが見えるが、これは汎用のウイングで海外から仕入れたものだという。ところが、ブース前の通路側からは見えないところ、裏側にまわり込まないと、このケーニッヒ・テスタロッサの肝心要のディテールを見逃すことになる。

 リヤウイングの下には、ショート竹ヤリ気味の2本出しマフラーが斜め方向に伸びている。短いとはいえ、これまた1980年代に流行ったスナップアップ気味の2本出しマフラーに見えなくもない。かくしてリヤウイングの下の慎ましやかな佇まいに、よきかなよきかな……と、タケノコを見つめるように目を細めるのはまだ早い。ご丁寧に、マフラーを指して「火傷 注意」のメッセージが刻まれたプレートがあるのだが、このパーツはプレートではなく、左右フレームのメンバー後端に固定されている。このアルミステーを渡すことで、巨大なリヤウイングの重さをフレームで直受けしていたのだ。

 ちなみに本来のケーニッヒのノーマル・リヤウイングは、リヤエンジンフードに固定されているのだが、その穴はビスが留められ塞がれている。

 ド派手な外観とは裏腹に、オリジナルのケーニッヒのボディをとことん尊重した、じつは奥ゆかしさ満点のスーパーカーカスタムだったのだ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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