ミニバンがカッコよくて何が悪い! 歴史に残る「生活臭の薄い」超イケてるミニバン5選 (2/2ページ)

20年以上経ったいまでも唯一無二の個性が光る

パリの街を走った前衛作品

 3台目はルノーのアヴァンタイムです。1999年のジュネーブモーターショーに出品されたコンセプトカーが、「前衛」を示すAvantと「時代」のTimeを掛け合わせた名前を引っ提げ、ほぼそのままの姿で登場。2002年に日本市場へデビューしました。

 スライドドアでなくスイングドア2枚のハードトップボディは、ミニバンというよりクーペに近い発想。リヤが逆スラントしたキャビンと、広大なショルダー面を持つボディは、2トーンのカラーリングで巧妙に構成されています。

 初代トゥインゴなどを手掛けた、奇才パトリック・ルケマンによるスタイリングは、まさにアバンギャルドそのもの。販売的には苦戦しましたが、しかし記憶にはしっかり焼き付いているのです。

バブル期の余裕が生んだシンプルスタイル

 4台目は、マツダの初代MPVです。バブル期の1988年、「新しいカテゴリーの多目的高級サルーン」をキーワードに北米向けとして発売。その大ヒットを受け、2年後に国内デビューした大型ミニバンです。

 Multi Purpose Vehicleをそのまま車名にしたボディは、ショートノーズ・ビッグキャビンのシンプルな構成。端正なフロントに加え、前後のブリスターフェンダーもさりげなくボディに溶け込ませました。一方、2トーンのボディカラーは適度な高級感を演出しています。

 3列シートの堂々としたボディは、当時の日本市場には少々大きすぎたようですが、威圧感のないシンプルなスタイルは、当時のマツダの高いセンスを感じさせるものでした。

近未来のミニバンは超スタイリッシュ

 さて、最後はチョット変わり種で、昨年4月に発表されたアウディのEVミニバンのコンセプトモデル、アーバンスフィアです。

 全長5510mm、全幅2010mmのボディはアウディ史上もっとも大きなものですが、ドイツと北京の両スタジオで進められたというスタイリングは、そんな大きさを感じさせない流麗さに。フロントからの一筆描きのようなルーフラインと、強い傾斜のリヤピラーの組み合わせが絶妙です。

 最近のアウディは少々煩雑なディテールが目立ちますが、同車は久々に素直な美しさで、まさにスポーティカーに負けないデザインです。あくまでもコンセプトカーではありますが、いま見るべきミニバンスタイルと言えるでしょう。


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