この記事をまとめると
■「リビルトパーツ」と呼ばれるパーツを紹介
■各種機能などを蘇らせたリサイクル部品のことを指す
■実質新品のような扱いをされるが、製造場所によっては品質が低い場合もある
低価格なのがリビルトパーツ最大のメリット!
「リビルトパーツ」という言葉をご存知だろうか。これは、再構築を意味するリビルドされたパーツのことで、中古部品を専門業者でオーバーホールして再生したパーツのことを指す。
通常、クルマのパーツが壊れた場合は純正パーツ(新品)を使って直す。ところが純正パーツが高額なことも多く、そもそもちょっと古いクルマだと純正パーツの供給が終わってしまっていることもある。そんなユーザーの助け舟になるのがリビルドパーツだ。
よくリビルトパーツが使われるものだとエアコンのコンプレッサーやオルタネーター(発電機)など。業者で中古品を一旦分解して、内部パーツを確認。洗浄など行った上で必要パーツを新品に交換して再度組み立てたものだ。
中古パーツとの違いは、中古パーツは外してそのままのパーツ。見た目に洗浄していても中身は使ったそのままだ。リビルトパーツはオーバーホールしているので、ほぼ新品として使えるのがメリット。
それでいて価格はパーツによって異なるが、純正新品の半額程度と安いことが多い。しかし純正新品と同等の性能があるので、リビルトパーツを活用して修理しているお店も少なくないのだ。使われることが多いのは先述のオルタネーターやエアコンコンプレッサーをはじめ、エンジン本体、ドライブシャフト、ステアリングコラム、タービンなどだ。
ならば、なんでもかんでもリビルトパーツでいいじゃないかと思うが、気をつけたいところもある。それはクオリティにバラつきがあることもあるということ。新品パーツではないからだ。
中古部品をオーバーホールしているのだが、新品同様にビシッとなっていて同じように使えるモノもあるが、正直「これって中古部品を洗浄しただけ?」と思いたくなるような製品もあるのも事実。実際、リビルトパーツなのに、取り付けた直後からトラブルが起きた話も珍しくない。もちろん、保証が効くことが多いが、それでも再度修理に入庫することは事実で、決して良い気持ちにはならない。
部品自体に見逃してしまった不具合がある可能性もあるが、利益追求主義なのか、ちゃんとリビルトしているのか疑わしい業者がいるのも現実問題あるのだ。
なので整備工場では、「A社のリビルトパーツは何度も痛い目に遭って扱ってないけど、B社のリビルトパーツなら大丈夫だから使っている」、といった経験則を持っていることも多い。
また、このパーツなら価格差が少ないので新品にしたほうがリスクが少ないとか、そういった経験をプロは持っている。整備士の経験に基づいてリビルトパーツを活用するのがいいだろう。
ひと昔前はスポーツエンジンなどもあったが、最近では車種が減っていることもあって、スポーツ系エンジンのリビルト品は減っている傾向。その頃は「エンジンブローしてもリビルトで20万あれば買えるから、思い切ってブースト掛けちゃえ!」なんて人も少なくなかった。
最近ではそういったハイパフォーマンス系のエンジンはリビルト品がなく、新品エンジンは100万円近いこともあり、エンジンを壊さないように丁寧に丁寧に扱う傾向になっているのだ。