鍵はSUVルックと短納期! 新車時は売れなかったダイハツ・タントがマイナーチェンジで起死回生していた!! (2/2ページ)

マイナーチェンジ後の売れ行きは好調

 そこで抜本的な販売のテコ入れが必要になり、2022年10月のマイナーチェンジに至った。もっとも大きな注目点は、ファンクロスの追加で、流行しているSUVスタイルを採用した。また従来から用意されるタントカスタムも、フロントマスクのデザインを変えている。

 マイナーチェンジ後の売れ行きは好調だ。マイナーチェンジから1カ月で、5万台を受注したとニュースになった。実際にはマイナーチェンジ前には販売を停止して、受注台数を溜めていたから差し引いて考える必要はあるが、2022年をトータルで見ても好調だ。

 2020年と2021年の軽自動車販売ランキングは、前述のとおり1位がN-BOXで、2位はスペーシア、3位にタントが入ったが、2022年は1位がN-BOXで、2位にタント、3位がスペーシアだ。

 2022年10月のタントの届け出台数は、前年の3倍以上に達した。11月も1.4倍になり、マイナーチェンジ後の売れ行きが増えたことで、2022年の売れ行きを押し上げて軽自動車の販売2位になった。

 タントは、なぜマイナーチェンジで人気をここまで回復できたのか。販売店に尋ねた。

「外観の変更はお客様から好評だ。カスタムもフロントマスクにメッキパーツを加えるなど、存在感を強めてカッコ良くなった。ファンクロスの追加も利いている。販売比率はタント全体の25%前後だが、コンパクトカーからの乗り替えもあり、従来のタントに興味を示さなかったお客様も注目されている」。

 納期はどうか。「タントはどのグレードも約3カ月で、他社のスーパーハイトワゴンよりも短いと思う」。確かにN-BOXの納期は、販売店によると「約6カ月」だ。スペーシアは、タントと同じく「約3カ月」であった。

 以上のようにタントは、マイナーチェンジでSUV風のファンクロスを加え、カスタムを中心に外観をカッコ良く仕上げて納期は比較的短い。これらの相乗効果により、売れ行きを伸ばしている。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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