EVの普及には「ワクワク感」が必要!? いま人気の「軽EV」に感じる一抹の不安 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産サクラと三菱eKクロスEVが人気を集めている

■しかし航続距離の短さがEVのイメージを下げかねない

■EVの普及にはある程度の「演出」が必要だと考える

「日本のEVといえば軽」というイメージになっていきそうだ

 日本メーカー製のBEV(バッテリー電気自動車)といえば、日産サクラ&三菱eKクロスEVをはじめ今後ほかの軽自動車メーカーからも登場予定となっている軽自動車規格のBEVが「日の丸BEV」の看板車種となっていきそうな勢いだ。

 ただし、現状市販されているサクラの販売状況を聞いていると、販売時に航続距離が短いこともあり「遠出は控えてくださいね」と声をかけるセールスマンも多いようだ。ユーザーもその辺りは心得ているようで、販売現場では「お客様の多くは週に1度といった頻度で充電しているようです(つまり生活圏内の移動に留めるケースが多いようだ)」との話も聞いたことがある。都市部でも見かけるようになったものの、サクラのような存在は、近所のガソリンスタンドが廃業して一軒もなくなり、路線バスも鉄道もないかほぼ走っていない地域で、「生活のための移動の足」としてクルマを手放せないが、すでに長距離移動はほとんど行わない高齢世帯向けとしてはまさにピッタリ。ある意味日本ならではの事情によるBEVニーズともいえるものに合致したクルマともいえるが、一方で筆者としてはその様子を見て「やっぱりBEVは『我慢クルマ(使用になんらかの制限がかかる)』なんだ」というイメージを持つひとも多いのではないかと危惧している。

 一方で欧米や韓国、中国のBEVを見ていると、とくに欧米のBEVでは「やっぱりICE(内燃エンジン)車とは違うなあ」と感じるワクワクした気持ちになることが多い。たとえばボルボでは、見た目はICE車とたいして変わらないが、ICE車にあるエンジンスタートボタンがなく、自動的にスタンバイになり、BMW iXではボンネットが開かなかったりする。

 またフォードのFシリーズピックアップトラック派生のBEVピックアップトラックとなる、F-150ライトニングでは、ICE(内燃機関)車ではデーンとV8エンジンが載っていたフロント部分が、ボンネットを開けてみると何もなく、ラゲッジスペースになっていて驚かされた。ほかにもいままでは一般的にエンジンがあるべき場所がラゲッジスペースになっているBEVが目立ち、筆者などは「やっぱり、これからのクルマなんだな」とワクワクしてしまう。操作系もかなり特殊なものが多いのだが、運転しているうちに、ヒューマンインターフェースに優れているのか手に馴染んでくるのも不思議な体験だと感じている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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