この記事をまとめると
■今年度より自動運転レベル4の実験を条件付きで公道ですることが可能になった
■自動運転レベル4になると事故が起きた際は製造者側の責任となるケースがある
■実際にまだ事故が起きていないことなどもあり今後どのように法整備が進むか現状不透明だ
自動運転中に事故が起きた際は誰のせいになるのか
世界中の自動車メーカーは自動運転技術の開発に躍起になっている。自動車メーカーとして交通事故による死傷者を減らすこと、ゼロにすることは究極の目標であり、そのためのソリューションとして自動運転技術は大いに役立つからだ。
さらに、ドライバー不要のモビリティが実現されれば移動権の拡大にもつながる。たとえば、現状の技術では視覚障害者が運転することは難しいが、完全自動運転であれば1人で移動できるようになるかもしれない。
ロボットタクシーを可能とする技術は、新しいビジネスチャンスも生み出すことが期待できる。その点からも、世界中の企業や組織や自動運転技術に注力しているのだ。
しかし、そうした無人運転における大きな課題が、交通事故を起こした際の責任問題であることはいうまでもない。
補償に関する民事的な責任については、自動車保険の加入義務などが変わらなければ、いままでどおり車両の所有者(移動サービスの運営企業など)が担うことになるだろう。一方で、刑事罰については運転者が不在なので、責任を問うべき対象がいないということになる。
そうした議論において、自動運転技術を搭載した車両を製造したメーカーに責任を問うべきだという意見がある。もっとも、法整備はこれからであるし、当然ながら判例もないので、そうした難しい問題について考察することに意味はあっても、個人として結論を出そうとするのはナンセンスだ。