GRカローラやメガーヌR.S.はリヤシートまで取っ払った軽量モデルを用意! たかが「椅子」をハズしただけでどれだけ速くなる? (2/2ページ)

サーキットタイムへの影響は大きい

 スーパーGTでは、前戦までのポイントに対し2kgのウエイトを積む(GT500クラス)、サクセスウエイト(2020年まではウエイトハンデと呼ばれていた)が導入されている。

 このサクセスウエイトの影響は、50kgで約1秒ラップタイムが遅くなる。

 スーパーGTのGT500クラスは、550馬力以上、約600馬力のパワーがあり、最低重量が1,200kgなのに、50kgのウエイトでこれだけ影響があるのだから、やはり軽量化の効果は相当大きい。

 GRカローラモリゾウエディションは、304馬力、車重1440kg。RZはエンジンパワーが同じで(トルクは30N・m違う)、車重は1470kg。この2台、筑波サーキットのラップタイムでみると、ちょうど2秒ほどモリゾウエディションの方が速いが(1分4秒)、そのうちの1秒近くは軽量化の影響と考えてもいいのではないだろうか(RZとモリゾウエディションは、軽量化とトルクアップ以外に、ボディ補強やタイヤ、ダンパー、ギヤ比、シートなどが違う)。

 ただし、一般道では30kgの違いはそれほど感じられないはず。

 重量は、燃費にも大きく影響するが、一般的な乗用車では、車重が100kg軽くなっても燃費は3%ぐらいしか向上しない。

 また、30kgというとちょうど小学4年生の女子の平均体重。

 リヤシートに9歳の女の子を乗せたり、降ろしたりして違いが感じられなければ、その差を体感するのは難しいかもしれない。

 さらに、後輪駆動車だと、リヤセクションの軽量化は、トラクションを損なう可能性もあるので、単純に軽くすればいいというものではない面もある(GRカローラは4WD。メガーヌR.S.トロフィーRはFF)。

 ちなみに個人でリヤシートを取り外すと、車検証に記載の乗車定員を満たさなくなり、保安基準違反になるので要注意(構造変更申請が必要)。

 いずれにせよ、サーキットを意識したリアルスポーツモデルの場合、リヤシートを取り外すだけでわりと大きな影響があり、軽量化と重量バランスに合わせて、タイヤやサス、ボディ剛性のセットアップを行なえば、筑波サーキットクラスで、1秒前後のタイム短縮につながるだけの武器になると覚えておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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